466

産業 医 学

34巻,

Jpn

J Ind

Health,

Vol.

炭素 膜 を張 った電 顕 グ リッ ドに 載せ,ク

短 報

34,

1992

ロロホ ル ム蒸気

で フ ィル タ ーを溶解 除 去 した. 3.繊

石綿 繊 維計 数 に必 要 な電 子顕 微鏡 の 観察倍 率 Visibility

of Fine

Transmission

Asbestos

Electron

Fibers

察す るため に 電顕 グ リ ッ ドMAXTAFORM (200mesh,

in

asbestos fiber; transmission

Cu製)を

い て500倍

Microscopy

TYPE

H-2

使 用 し た.特 定 の網 目1個 につ

で計数 後, 20,000倍

まで倍 率 を順 に上 げて,

各倍 率 で観 察 で きた繊 維 を 電顕 付属 の 双眼 顕微 鏡(10

Analysis Key words: magnification;

維 観 察方 法:特 定 の グ リッ ド網 目を繰 り返 し観

倍)を 使用 せ ず に計 数 した.各 倍率 にお け る観察 視野 は 電顕 の蛍光 板 上 の写 真撮 影 部分(76×84mm)と

chrysotile; visibility; electron microscopy

し,観

察視 野 が重 複 しない よ うに移 動 させ て 繊維 を計 数 した. そ の際,観 察 視野 に交 差 して い る.繊維 は視 野 の上 側 と右

生 体 な らび に 環 境 中 石 綿 の 計 数 に は,微

側 で交 差 して い る繊維 だけ を,ま た グ リッ ド格子 に交差

細 な繊維 まで

観 察 可 能 で か つ 元 素 組 成 比 が 得 られ る エ ネ ル ギ ー分 散 型

して い る繊 維 はす べ て計 数 した.繊 維 本数 の判 定 は石綿

X線

粉 しん濃 度測 定要 領9)に したが った.繊 維 の計 数 は同一

分 析 装 置 を 装 着 した 透 過 型 電 子 顕 微 鏡(透

顕)が

倍5),

の観 察 倍率 は報 告者

の グ リ ッ ド網 目 に つ い て 観察 日を変 え て5回 繰 り返 し

15,000倍4),

た.繊 維本 数 は フ ィル タ ー0.01mm2当

用 い られ る こ とが 多 い が,そ

に よ っ て8,300倍1), 20,000倍6),

過型電

10,000倍2,3),

20,000∼30,000倍7)と

18,000

た りの本 数で表

示 し,平 均 値 の差 の検 定 はt-検 定(片 側検 定)で 行 った.

多 様 で あ る.

フ ィル タ-0.01mm2当

著 者 らは透 過型 電 顕 に よ って石 綿を 含む 繊 維 の計数 を行

た り100本 は1網 目当 た り121

つ計 数 に要す

本 に相 当 して いた.繊 維 の直 径 は20,000倍

る労 力 と時 間 を 最 小 限 に す る こ とが で き る 観 察 倍 率 を 明

さ らに5倍 引 き伸 ば した 写真 で計測 した.

う場 合,細

い 繊 維 の 見 落 と しが 少 な く,か

ら か に し て お く こ と は 実 用 上 必 要 で あ る と 考 え る.そ

実 験 結果

こ

今 回使 用 した ク リソタ イルを20,000倍

で 観察 した場

合 に最 も細 い単繊 維 の直 径 は0.018μmで

あ り,写 真 を

で 観 察 倍 率 を 検 討 す る た め の 微 細 な 繊 維 と して 最 も細 い 石 綿 で あ る ク リ ソ タ イ ル8)を 用 い て,透

過 型電 顕 の観 察

観 察 した 限 りで は新 た な繊維 を 検 出 しな か った. Table

倍 率 と そ の 観 察 繊 維 本 数 の 関 係 に つ い て 検 討 した.

1は 各 倍 率 で の観察 繊維 本 数 を ま とめた も の で あ る.

実 験方 法 1.装 子),加

置:透

過 型 電 子 顕 微 鏡JEM-100CX型(日

速 電 圧:

2.電

少 量 入 れ て 蒸 留 水100mlを

音波 分 散処 理

加 え た.ろ

径47mm)で

吸 引 ろ 過 した.

の 小 片(約4mm四

Mean•}standard respective

deviation magnification p