78-1244
1975
THE CARBON DIOXIDE LASER SURGERY
Department
SHIGENOBU MIHASHI, M.D. of Otolaryngology, Kurume University, School of Medicine, Kurume (Director:
M. Hirano, MD.)
The present paper describes fundamental
knowledge on the carbon dioxide laser and its clinical
applications. The CO2 laser which has a wavelength
of 10. 6 micrometer is almost completely absorbed by
any biological tissue regardless of its pigmentation
and is directly
converted
into heat energy.
The mechanisms in destructing the soft tissue with CO2 laser irradiation consist of rapid vaporization of water component of the tissue and thermal denaturation
of tissue protein.
The advantages of CO2 laser as a light knife are as follows; 1 ) Tissue removal by vaporization with extraordinary
hemostatic effect.
2) Excellent visualization without mechanical contact. 3) Exact localization of destuction within an extrely small area.
Furthermore,
one can utilize
CO2 laser for microscopic surgery by coupling the laser to a surgical microscope with a specially designed delivery manipulater and micromanipulater. A78-1244.
炭
酸
ガ ス
レ ー ザ
00094
外 科
(耳 鼻 咽 喉 科 領域 に お け る炭 酸 ガス レー ザ の 臨床 的 応 用) 久留米大学耳鼻咽喉科学教室(主 任:平 野 実) 三 橋 重 信
は じめに 1960年,Maimanが
科 領 域 に お け る刺 青,母 斑 な どの 限 られ た疾 患 に応 用 さ ル ビー レーザ の発 振 に成 功 して以
れ て い るの み で あ る.
来,現 在 で は レー ザ光 を生 じ る も と にな る物 質 に よ り,
と ころ が一 方,炭 酸 ガ ス レー ザ 連 続 波 は,10.6μmの
紫 外線,可 視 光 線,赤 外 線 の広 い 領 域 に お い て諸 種 の波
波 長 を有 し,赤 外 線 領 域 に属 し,衝 激 効 果 な く,可 視光
長 の レー ザ光 が 開発 され て い る.
線 領 域 の レー ザ が そ の補 色 に吸 収 され や す い のに 比 し,
医学 領 域 に お け る応 用 にお い て は,レ ー ザ は そ の ユ ニ ー ク な光 学 的 特 質 ゆ え に 当初 よ り注 目を集 め ,1963年,
色 調 に 関係 な く生 物 組 織 に ほ ぼ完 全 に吸 収 され,熱 エネ
McGuffが
ハ ム ス ター の 黒 色 腫 に対 す るル ビ ー レーザ 照
組 織 に対 す る基 本 的 作 用 機 序 は 熱 効 果 で あ り,組 織 内水
射 の効 果 を報 告 して 以 来,幾 多 の 実験 的 報 告 が な され て
分 の瞬間 的 蒸 発 に よ り病 変 部 の 破 壊,凝 固,除 去 を容 易
ル ギ ー に変 換 され る.す なわ ち,炭 酸 ガ ス レー ザ の生物
い る.し か し,パ ル ス レー ザ*に よ る実 験 腫 瘍 破 壊 は,
に行 え る とい う点 で外 科 的治 療 の一 手段 と して きわ めて
そ の衝 激 効果 に よる腫 瘍 細 胞 の周 囲 組 織 へ の 散 布 お よび
ユ ニ ー クな レー ザ の一 つ で あ る .
脈 管 系 へ の 流 入 な どの可 能 性 ゆ え に5)9),臨床 応用 に 関 し
著 者 は1972年 よ り1974年 ま で ボ ス トン大 学 に て炭酸 ガ
て は 眼科 領 域 に お け る網 膜 病 変 に 対 す る凝 固療 法,皮 膚
ス レー ザ を使 用 して研 究 す る機 会 を得 た の で,本 レーザ
*レ ー ザ光 発 振 様 式 の 一 つ で め て短 時 間 な も の.
,発 振 時 間 が数m秒
とき わ
に つ い て若 干 の紹 介 を試 み る. 1
レー ザ光 発 生原 理12-8
日耳鼻
三橋=炭 酸ガスレーザ外科
78-1245
ぎつ ぎ に うなが し,こ の過 程 を く りか えす うちに 同一 波 長 の光 が連 続 的 に発 生 し,そ の結果 光 は増 幅 され る訳 で あ る. この よ うに して生 じた レー ザ 光 の特 徴 は タ ング ス テ ン 電球 の光 と比 較 して み る と容 易 に理 解 で き る と思 わ れ る.タ ン グス テ ン電 球 に よ り生 じた光 の波長 は同 一 でな く,し か も平 行 に放 射 され ず あ らゆ る方 向 に 放 射 さ れ る.こ れ に反 し,レ ー ザ 光 は ほ ぼ単 一 の波 長 で しか も平 行 に放 射 され る の で光 が 広 が らず,き わ め て遠 距 離 ま で 到 達 で き る し,平 行 光 線 を レン ズ に よ り集 光 させ れ ば微 図1
小 な一 点 に集 中 で き,単 位面 積 あた りに きわ めて 高 い エ
自然放 射,誘 導 放 射,吸 収 の模 式 図
ネル ギ ー を与 え る こ とが で き る とい う特 長 を 有 し て い LASERと い う名 前 の 由来 は"Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation"とい う各 語 の頭
る. Ⅱ
文字 を組 み 合 わ せ て作 られ た頭 宇 語 で あ り,誘 導 放 射 に
外 科用 炭 酸 ガス レーザ
以 下 著 者 が ボ ス トン大 学 に て使用 してい た ア メ リカ
よる光 増幅 を意 味 して い る.誘 導 放 射 とは光 子 が 原 子 よ
ン
り放 射 され る一 様 式 で あ り,光 子 が原 子 よ り放 射 され る
紹 介 す る.
様式 お よび 光 子 が原 子 に作 用 す る様 式 に は,図1に
示す
オ プ テ ィ カル 社製 の外 科 用炭 酸 ガ ス装 置13)につ い て
本機 は,(1)レ ー ザ発 生 装 置 (2)レ ー ザ 光 を術 野 へ 導 く
ご とく自然放 射,誘 導 放 射,吸 収 の3つ の様 式 が あ る.
た め の マ ニプ レー タ (3)レ ー ザ光 を術 野 へ集 光 させ るた
自然放 射 とは,よ
め に レン ズ を内蔵 し た諸 種 の附 属 部 品 よ りな る.
り高 い エ ネル ギ ー状 態 にあ る原 子 が 自
然 に よ り低 い エ ネル ギー 状 態 に も ど る時 に光 子 を放 射 す
(1)レ ー ザ発 生装 置
るこ とをい い,誘 導 放 射 とは,高 位 状 態 にあ る原 子 に 同
レーザ 発 生 装 置 は図2の 模 式 図 に示 す ご と く,
じ波長 の光 子 が作 用 した 場 合,高 位 よ り低 位 へ の 移行 を
a)レ
ー ザ光 を発 生 させ る も とに な る物質 で あ る炭酸
増加 させ,そ の際 光 子 が 放 射 され る こ と をいい,吸 収 と は低位 状態 に あ る原 子 に同 じ波 長 の光 子 が 作 用 し た場 合,こ の コ ネル ギ ー は原 子 に吸 収 され,原 子 が 低 位 よ り 高位エ ネル ギー 状 態 に移 行 す る こ とを い う. 通 常 の状 態 で は 多 くの原 子 は 低 位 状 態 に あ るの で,誘 導放 射 を起 させ るた めに は,よ
り多 くの原 子 を 低 位状 態
よ り高位 状 態 に移 行 させ る必 要 が ある｡そ の た め に は, 外部 よ り何 らか の入 力 エ ネ ル ギ ー が必 要 で あ り,そ れ に は電気 的,化 学 的 あ るい は機 械 的 エ ネル ギ ー が利 用 され る､入 力 エ ネ ル ギ ー に よ り低 位 状 態 に あ る 原 子 は つ ぎ つ ぎに高位 状 態 へ移 行 し,そ の結 果 高 位 状 態 に あ る原 子 の数 が 低位 状 態 に あ る原 子 よ り 多 く な る.こ の状 態 を Population inversion,反 転 分 布 とい う.こ の反 転 分 布 の 状態 に お い て は じ め て誘 導 放 射 に よ る光 の増 幅 が 可 能 と なつ て くる.す なわ ち,両 端 に反 射 鏡 を有 す る円 筒 の 中 にレーザ 光 を発 生 す る も と に な る物 質 が み た され て い る 場合,入 力 エ ネ ル ギ ー に よ りこの 物 質 の 原 子 は反 転 分布 の状態 とな り,高 位 状 態 の原 子 は 自然放 射 に よ り光子 を 放 射 し,こ の光 は 両端 の反 射 面 で反 射 し往 復 運 動 を く り かえす うち に,他 の高 位 状 態 の原 子 よ りの光 の誘 導 をつ
12-9
図2
ア メ リカン･オ プ テ ィカ ル社 製 の外 科 用 炭 酸 ガ ス レー ザ模 式 図
78-1246
1975
三橋=炭 酸 ガ ス レー ザ 外 科
図4ハ
ン ドピー ス を使 用 して舌 ロイ コ プ ラ キ ー に対 し照 射 を行 な つ て い る とこ ろ
図3ア
メ リカ ン ・オ プ テ ィカル 社製
外 科 用 炭 酸 ガス レー ザ ガ ス,窒 素,ヘ
リウ ム の高 圧 タ ン クお よび そ の圧 流
量 調 節 装 置. b)入
図5顕
カ エ ネ ル ギ ー源 とし ての 電 気 系 で は 変圧 器 お よ
び そ の調 節 回路. c)誘
微 鏡 下 の レー ザ手 術.
術 者 は ボ ス トン大 学 耳 鼻 科 ス トロン グ 教授
導 放 射 を起 こ させ 光 を増 幅 す るた め の ガ ス放 電
管 兼 共 振 器 お よび 生 じた熱 を冷 却 す るた め の 冷 却 a)ハ
系. よ りな り,こ れ らは 図3に 示 す ご と く,す べ て 幅58cm,
ン ドピー ス
図4に 示 す ご と く,ハ ン ドピー ス を使 用 した場 合 通 常
ボ ッ クス 内 に ま とめ られ て お
の 外 科 メス と同 じ よ うに 切 開 が で き,レ ン ズ の焦 点 距離
り,移 動 が容 易 であ り,使 用 に あ た つ て は電 源 お よび 冷
外 に て操 作 す れ ば レー ザ 光 の 単 位 面 積 あた りの 作用 エネ
却 用 水 道 水 に直 結 す れ ば よい.
ル ギ ーが 減 少 し て,組 織 浅 層 の壊 死 組 織 除 去 な ど を容 易
奥 行75cm,高
さ193cmの
に行 うこ とが で き る.こ のハ ン ドピ ー ス に内 蔵 され てい
(2)マニ プ レー タ ー レー ザ発 生 装 置 共 振 器 内 部 に生 じた レー ザ光 は そ の上
る レン ズ は,5cmの
焦 点 距 離 の も の を 使 用 した場 合集
端 の 半透 明 の反 射 鏡 を透 過 し て本 体 上部 に装 着 され た レ ー ザ 光 マ ニ プ レー タ ー に よ り術 野 へ 導 び か れ る.こ の マ
光 面 に お け る直 径 は約500μmで,15cmの
ニ プ レー タ ー は長 さ2mで,内
で き る よ うに な つ て い る.
り,6っ
部 に反 射鏡 を内蔵 して お
の 回転 に よ りあ らゆ る方 向 の操 作 にお い て き わ
めて 良 好 な 可動 性 を有 し て い る.
た場 合 は 約1㎜
b)マ
も の を使 用 し
の直 径 が得 られ,目 的 に応 じ て変換 が
イ ク ロマ ニ プ レー タ ー
図5に 示 す ご と く,マ イ ク ロマ ニ プ レー ター に よ り手
（3） 附 属部品
術 用 顕 微 鏡 と レー ザ 光 誘 導 マ ニプ レー タ ー を連 結 して狭
マ ニ プ レー タ ー を介 し て導 ぴか れ た レー ザ 光 は そ の 末
視 野 に お け る顕 微 鏡 下 の微 細 手 術 が可 能 で あ る.炭 酸 ガ
端 部 に装 着 され た レ ンズ を 内蔵 した 附属 部 品 に よ り術 野
ス レー ザ 光 は 不 可視 光 線 で あ るの で,術 野 の どの 部分 に
に集 光 され る.こ れ らの 附 属部 品 は諸 種 の型 の も のが 開
作 用 す る か を確 認 す る た め に 図6の 模 式 図 に示 す ご と く
発 され でお り,目 的 に応 じて適 宜 選 択 が可 能 で あ る.
マ イ ク ロマ ニ プ レー ター 内 の 反 射 板 上 に レーザ 光 の光 軸
12-10
日耳鼻
三橋=炭 酸 ガ ス レー ザ外 科
図6マ
78-1247
イ ク ロマ ニ プ レー タの模 式 図 開 能 お よ び それ に伴 な う止 血 効 果 を認 め,1968年
には
Mullin12)等 が 猿 の肝 切 除 にお け る無 血 手 術 を 報 告 し て い る.そ れ以 来 炭 酸 ガ ス レー ザ の"Light
Knife"と
し
ての 有用 性 に関 す る実験 的 報 告1)2)4)6)11)14)15)が な され て きた. 臨 床 的 に はGoldmanが
黒 色 腫 に対 して 炭 酸 ガ ス レー
ザ に よ る治療 を最 初 に試 み て お り,1969年 に はStellar14) 等 が 姑 息 的 治療 と して 脳 腫 瘍(mahgnant
glioblastoma
multiforme)に 応 用 し てい る.1970年Goodale8)は
ス
トレス潰 瘍 に よ る胃 出血 に対 し内 視鏡 下 に レー ザ照 射 を 図7レ
ー ザ ブ ロン コス コー プ
行 い,そ の止 血 能 ・有 効性 を報 告 して い る.そ
にー致 して緑 色 の指 標 点 を合 致 させ て あ り,こ の指 標 点 は顕微 鏡 の接 眼 レン ズ を通 して 明確 に確 認 で き る.ま た レー ザ光 の移 動操 作 は 附着 の操 作 ツ マ ミに よ り レー ザ光 反射板 を動 か し全 方 向 に対 し微 細 な コン トロール が で き
Stellar16),Levinel0),Kaplan,Ger8)等
の 後,
はそ れ ぞ れ火 傷 後
お よび 褥 創性 潰 瘍 の 壊 死組 織 除 去 に応 用 し,出 血 量 な ら び に体 液 損 失 が少 な く,そ の後 の移 植 皮膚 片 の生 着 も良 好 で あ り,治 療 成 績 の 向 上 を認 めてい る.Kaplan,Geｒ8)
るよ うに な っ て い る.
等 は子 宮 頸 部 ビラ ン患 者 に応 用 し良 好 な結 果 を得 た と し
C)エ
て い る.
ン ドス コー プ
主 として管 腔 臓 器 の病 変,な
か で も子 宮 頸 部,消
化
管,気 管,気 管 支 な どの病 変 に応 用 で き る よ う設 計 され てい る.図7に
示 す もの はLaser
Bronchoscopeで,2
倍 の接 眼 レン ズ下 に観 察 し なが ら,Xお
よびY軸 方 向 に
耳 鼻 咽 喉科 領 域 で は1968年Jako7)が
犬声 帯 に対 す
る顕 微 鏡 下 レー ザ手 術 の実験 を 基 礎 と し て,1972年 Strong,Jako17)等
が初 め て臨 床 的応 用 を試 み 良 好 な成果
を得 て い る.
お け る レー ザ 光 の移 動 が 可 能 で あ り,乳 頭 腫 の声 門 下
しか し,臨 床 応 用 に関 す る有 用 性 につ い て は,ま だ現
腔,気 管 進 展 例 お よび 気 管 狭 窄 そ の他 の気 管,気 管 支 病
在 ス ター トの 糸 口 につ い た ば か りで個 々の 適応 に 関 し て
変 に対 して 応 用 で き る.
は さ ら に詳 細 な研 究 が 望 まれ 今後 発 展 が 期 待 され る分 野
Ⅲ
1966年Yahr,Strully18)等
12-11
であ る.
臨床的応用 が 炭 酸 ガス レー ザ に よ る切
IVむ
すび
78-1248
三 橋=炭
酸 ガ ス レー ザ 外 科
10.6μmの 波 長 を有 す る 炭 酸 ガ ス連 続 波 は,色 調 に関
1975
10) Levine: Use of a carbon dioxide
laser for the
係 な く生 物 組 織 に ほ ぼ完 全 に吸 収 され熱 エ ネル ギ ー に変
debridement of third degree burns., Ann. Surg., 179;
換 され る.そ の基 本 的 作 用 機 序 は 熱 効果 に よる組 織 内 液
246-252, 1974.
体 成 分 の瞬間 的蒸 発 と組 織 内 蛋 白の 凝 固 で あ る.
) Litwin, 11M.S., et al.: Burn injury after carbon dioxide laser irradiation. Arch. Surg., 98 ; 219-222,
臨床 的 に は そ の著 明 な る止 血 効 果 ゆ え に火 傷 あ るい は 褥 創 性 潰 瘍 な どの壊 死 組 織 除 去,あ
るい は肝 臓 な どの通
常 の 方 法 で は止 血 が 困難 な部 位 の 切 開,切 除 に有 利 で あ
1969. 12) Mullins, F., et al.: Liver resection with the con-
る.他 方 手 術 顕微 鏡 に接 続 す る こ と に よ り望 み の組 織 を
tinuous wave carbon dioxide laser. Ann. Surg., 34 ;
きわ め て正 確 か つ迅 速 に しか も ほ ぼ無 血 下 に除去 す る こ
717-722, 1968.
とが で き,と
くに 狭 視 野 で手 術 操 作 が 困 難 な管腔 臓 器 の
病 変 部 除 去,止 血 に 適 して お り,外 科 的 治 療手 段 とし て
13) Polanyi, T.G., et al.: A CO2 laser for surgical research. Med. & biol. Engng., 8 ; 541-548, 1970.
き わ め てユ ニー クな 特 長 を有 し てい る.
14) Stella, S. et al.: Experimental
REFERENCES 1) Fox, J.L.: The use of laster radiation
as a surg-
ical "Light Knife." J. Surg. Res., 9 ; 199-205, 1969. 2) Gonzales, R., et al.: Rapid control of massive hepatic hemorrhage by laser radiation. Surg. Gynec. and Ohstet., 121 ; 198-200, 1970.
Surg., 101 ; 211-214, 1970. R.R.,, et al.: A carbon
Med. & Biol. Engng., 8 ; 549-558, 1970. 15) Stellar, S. et al.: Carbon-dioxide
laser for exci-
sion of burn schars. The Lancet, 1 ; 945, 1971. 16) Stellar, S. et al.: Carbon dioxide laser debridement 17) Strong, M.S. and Jako,
G.J.:
dioxide
surgical
5) Hoye, R.C., et al.: The air-borne dissemination of viable tumor by high-energy neodynium
Laser surgery in
the larynx, early clinical experience with continuous CO2 laser. Ann. Otol. Rhinol.
laser. Ann. Roy. Coll. Surg. Engl., 48 ; 181-188, 1971.
Laryngol., 81 ; 791-
798, 1972. 18) Yahr, W.Z. and Strully,
K.J.: Blood vessel anas-
tomosis by laser and other biomedical
applications.
J.A.A.M. I., 1 ; 1-4, 1966.
laser. Life
Sci., 6 ; 119-125, 1967. 6) Hughes, B.F., et al.:
instrument.
of decubitus ulcers. Ann. Surg., 179 ; 230-237, 1974.
3) Goodale, R.L., et al.: Rapid endoscopic control of bleeding gastric erosions by laser radiation. Arch. 4) Hall,
studies with the
carbon dioxide laser as a neurosurgical
Acknowledgement Preliminary
report on the
use of a CO2 laser surgical unit in animals. Investigative Urology., 9 ; 353-357, 1972. 7) Jako, G.J.,: Laser surgery of the vocal cords. Laryngoscope., 82 ; 2204-2216, 1972.
investigations with a carbon dioxide laser at Boston University. 稿 を 終 る に あ た り,研 究 の機 会 を与え て下 さつ たボス
8) Kaplan, 1. and Ger, R.: The carbon dioxide laser in clinical surgery a preliminary report. Israel J. Med. Sci., 9 ; 79-83, 1973. 9) Ketcham, A.S., et al.: A surgeon's
The author is indebted to Drs. M. S. Strong and G. J. Jako who have given an opportunity to perform
トン大 学 ス トロソ グ教 授,ヤ ー コ ー教 授 お よ び平 野 実教 授 に 深 謝 の 意 を 衷 し ます. な お 本 論文 の 要 旨 は 第356お よび 第357回 日耳 鼻 九 州地
appraisal
of
方 会 に て 口演 した.
the laser. Surg. Clinic North Amer., 47 ; 1249-1263, 1967.
(原 稿 受 付
昭 和50.2.4日)
12-12
1975
THE CARBON DIOXIDE LASER SURGERY
Department
SHIGENOBU MIHASHI, M.D. of Otolaryngology, Kurume University, School of Medicine, Kurume (Director:
M. Hirano, MD.)
The present paper describes fundamental
knowledge on the carbon dioxide laser and its clinical
applications. The CO2 laser which has a wavelength
of 10. 6 micrometer is almost completely absorbed by
any biological tissue regardless of its pigmentation
and is directly
converted
into heat energy.
The mechanisms in destructing the soft tissue with CO2 laser irradiation consist of rapid vaporization of water component of the tissue and thermal denaturation
of tissue protein.
The advantages of CO2 laser as a light knife are as follows; 1 ) Tissue removal by vaporization with extraordinary
hemostatic effect.
2) Excellent visualization without mechanical contact. 3) Exact localization of destuction within an extrely small area.
Furthermore,
one can utilize
CO2 laser for microscopic surgery by coupling the laser to a surgical microscope with a specially designed delivery manipulater and micromanipulater. A78-1244.
炭
酸
ガ ス
レ ー ザ
00094
外 科
(耳 鼻 咽 喉 科 領域 に お け る炭 酸 ガス レー ザ の 臨床 的 応 用) 久留米大学耳鼻咽喉科学教室(主 任:平 野 実) 三 橋 重 信
は じめに 1960年,Maimanが
科 領 域 に お け る刺 青,母 斑 な どの 限 られ た疾 患 に応 用 さ ル ビー レーザ の発 振 に成 功 して以
れ て い るの み で あ る.
来,現 在 で は レー ザ光 を生 じ る も と にな る物 質 に よ り,
と ころ が一 方,炭 酸 ガ ス レー ザ 連 続 波 は,10.6μmの
紫 外線,可 視 光 線,赤 外 線 の広 い 領 域 に お い て諸 種 の波
波 長 を有 し,赤 外 線 領 域 に属 し,衝 激 効 果 な く,可 視光
長 の レー ザ光 が 開発 され て い る.
線 領 域 の レー ザ が そ の補 色 に吸 収 され や す い のに 比 し,
医学 領 域 に お け る応 用 にお い て は,レ ー ザ は そ の ユ ニ ー ク な光 学 的 特 質 ゆ え に 当初 よ り注 目を集 め ,1963年,
色 調 に 関係 な く生 物 組 織 に ほ ぼ完 全 に吸 収 され,熱 エネ
McGuffが
ハ ム ス ター の 黒 色 腫 に対 す るル ビ ー レーザ 照
組 織 に対 す る基 本 的 作 用 機 序 は 熱 効 果 で あ り,組 織 内水
射 の効 果 を報 告 して 以 来,幾 多 の 実験 的 報 告 が な され て
分 の瞬間 的 蒸 発 に よ り病 変 部 の 破 壊,凝 固,除 去 を容 易
ル ギ ー に変 換 され る.す なわ ち,炭 酸 ガ ス レー ザ の生物
い る.し か し,パ ル ス レー ザ*に よ る実 験 腫 瘍 破 壊 は,
に行 え る とい う点 で外 科 的治 療 の一 手段 と して きわ めて
そ の衝 激 効果 に よる腫 瘍 細 胞 の周 囲 組 織 へ の 散 布 お よび
ユ ニ ー クな レー ザ の一 つ で あ る .
脈 管 系 へ の 流 入 な どの可 能 性 ゆ え に5)9),臨床 応用 に 関 し
著 者 は1972年 よ り1974年 ま で ボ ス トン大 学 に て炭酸 ガ
て は 眼科 領 域 に お け る網 膜 病 変 に 対 す る凝 固療 法,皮 膚
ス レー ザ を使 用 して研 究 す る機 会 を得 た の で,本 レーザ
*レ ー ザ光 発 振 様 式 の 一 つ で め て短 時 間 な も の.
,発 振 時 間 が数m秒
とき わ
に つ い て若 干 の紹 介 を試 み る. 1
レー ザ光 発 生原 理12-8
日耳鼻
三橋=炭 酸ガスレーザ外科
78-1245
ぎつ ぎ に うなが し,こ の過 程 を く りか えす うちに 同一 波 長 の光 が連 続 的 に発 生 し,そ の結果 光 は増 幅 され る訳 で あ る. この よ うに して生 じた レー ザ 光 の特 徴 は タ ング ス テ ン 電球 の光 と比 較 して み る と容 易 に理 解 で き る と思 わ れ る.タ ン グス テ ン電 球 に よ り生 じた光 の波長 は同 一 でな く,し か も平 行 に放 射 され ず あ らゆ る方 向 に 放 射 さ れ る.こ れ に反 し,レ ー ザ 光 は ほ ぼ単 一 の波 長 で しか も平 行 に放 射 され る の で光 が 広 が らず,き わ め て遠 距 離 ま で 到 達 で き る し,平 行 光 線 を レン ズ に よ り集 光 させ れ ば微 図1
小 な一 点 に集 中 で き,単 位面 積 あた りに きわ めて 高 い エ
自然放 射,誘 導 放 射,吸 収 の模 式 図
ネル ギ ー を与 え る こ とが で き る とい う特 長 を 有 し て い LASERと い う名 前 の 由来 は"Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation"とい う各 語 の頭
る. Ⅱ
文字 を組 み 合 わ せ て作 られ た頭 宇 語 で あ り,誘 導 放 射 に
外 科用 炭 酸 ガス レーザ
以 下 著 者 が ボ ス トン大 学 に て使用 してい た ア メ リカ
よる光 増幅 を意 味 して い る.誘 導 放 射 とは光 子 が 原 子 よ
ン
り放 射 され る一 様 式 で あ り,光 子 が原 子 よ り放 射 され る
紹 介 す る.
様式 お よび 光 子 が原 子 に作 用 す る様 式 に は,図1に
示す
オ プ テ ィ カル 社製 の外 科 用炭 酸 ガ ス装 置13)につ い て
本機 は,(1)レ ー ザ発 生 装 置 (2)レ ー ザ 光 を術 野 へ 導 く
ご とく自然放 射,誘 導 放 射,吸 収 の3つ の様 式 が あ る.
た め の マ ニプ レー タ (3)レ ー ザ光 を術 野 へ集 光 させ るた
自然放 射 とは,よ
め に レン ズ を内蔵 し た諸 種 の附 属 部 品 よ りな る.
り高 い エ ネル ギ ー状 態 にあ る原 子 が 自
然 に よ り低 い エ ネル ギー 状 態 に も ど る時 に光 子 を放 射 す
(1)レ ー ザ発 生装 置
るこ とをい い,誘 導 放 射 とは,高 位 状 態 にあ る原 子 に 同
レーザ 発 生 装 置 は図2の 模 式 図 に示 す ご と く,
じ波長 の光 子 が作 用 した 場 合,高 位 よ り低 位 へ の 移行 を
a)レ
ー ザ光 を発 生 させ る も とに な る物質 で あ る炭酸
増加 させ,そ の際 光 子 が 放 射 され る こ と をいい,吸 収 と は低位 状態 に あ る原 子 に同 じ波 長 の光 子 が 作 用 し た場 合,こ の コ ネル ギ ー は原 子 に吸 収 され,原 子 が 低 位 よ り 高位エ ネル ギー 状 態 に移 行 す る こ とを い う. 通 常 の状 態 で は 多 くの原 子 は 低 位 状 態 に あ るの で,誘 導放 射 を起 させ るた めに は,よ
り多 くの原 子 を 低 位状 態
よ り高位 状 態 に移 行 させ る必 要 が ある｡そ の た め に は, 外部 よ り何 らか の入 力 エ ネ ル ギ ー が必 要 で あ り,そ れ に は電気 的,化 学 的 あ るい は機 械 的 エ ネル ギ ー が利 用 され る､入 力 エ ネ ル ギ ー に よ り低 位 状 態 に あ る 原 子 は つ ぎ つ ぎに高位 状 態 へ移 行 し,そ の結 果 高 位 状 態 に あ る原 子 の数 が 低位 状 態 に あ る原 子 よ り 多 く な る.こ の状 態 を Population inversion,反 転 分 布 とい う.こ の反 転 分 布 の 状態 に お い て は じ め て誘 導 放 射 に よ る光 の増 幅 が 可 能 と なつ て くる.す なわ ち,両 端 に反 射 鏡 を有 す る円 筒 の 中 にレーザ 光 を発 生 す る も と に な る物 質 が み た され て い る 場合,入 力 エ ネ ル ギ ー に よ りこの 物 質 の 原 子 は反 転 分布 の状態 とな り,高 位 状 態 の原 子 は 自然放 射 に よ り光子 を 放 射 し,こ の光 は 両端 の反 射 面 で反 射 し往 復 運 動 を く り かえす うち に,他 の高 位 状 態 の原 子 よ りの光 の誘 導 をつ
12-9
図2
ア メ リカン･オ プ テ ィカ ル社 製 の外 科 用 炭 酸 ガ ス レー ザ模 式 図
78-1246
1975
三橋=炭 酸 ガ ス レー ザ 外 科
図4ハ
ン ドピー ス を使 用 して舌 ロイ コ プ ラ キ ー に対 し照 射 を行 な つ て い る とこ ろ
図3ア
メ リカ ン ・オ プ テ ィカル 社製
外 科 用 炭 酸 ガス レー ザ ガ ス,窒 素,ヘ
リウ ム の高 圧 タ ン クお よび そ の圧 流
量 調 節 装 置. b)入
図5顕
カ エ ネ ル ギ ー源 とし ての 電 気 系 で は 変圧 器 お よ
び そ の調 節 回路. c)誘
微 鏡 下 の レー ザ手 術.
術 者 は ボ ス トン大 学 耳 鼻 科 ス トロン グ 教授
導 放 射 を起 こ させ 光 を増 幅 す るた め の ガ ス放 電
管 兼 共 振 器 お よび 生 じた熱 を冷 却 す るた め の 冷 却 a)ハ
系. よ りな り,こ れ らは 図3に 示 す ご と く,す べ て 幅58cm,
ン ドピー ス
図4に 示 す ご と く,ハ ン ドピー ス を使 用 した場 合 通 常
ボ ッ クス 内 に ま とめ られ て お
の 外 科 メス と同 じ よ うに 切 開 が で き,レ ン ズ の焦 点 距離
り,移 動 が容 易 であ り,使 用 に あ た つ て は電 源 お よび 冷
外 に て操 作 す れ ば レー ザ 光 の 単 位 面 積 あた りの 作用 エネ
却 用 水 道 水 に直 結 す れ ば よい.
ル ギ ーが 減 少 し て,組 織 浅 層 の壊 死 組 織 除 去 な ど を容 易
奥 行75cm,高
さ193cmの
に行 うこ とが で き る.こ のハ ン ドピ ー ス に内 蔵 され てい
(2)マニ プ レー タ ー レー ザ発 生 装 置 共 振 器 内 部 に生 じた レー ザ光 は そ の上
る レン ズ は,5cmの
焦 点 距 離 の も の を 使 用 した場 合集
端 の 半透 明 の反 射 鏡 を透 過 し て本 体 上部 に装 着 され た レ ー ザ 光 マ ニ プ レー タ ー に よ り術 野 へ 導 び か れ る.こ の マ
光 面 に お け る直 径 は約500μmで,15cmの
ニ プ レー タ ー は長 さ2mで,内
で き る よ うに な つ て い る.
り,6っ
部 に反 射鏡 を内蔵 して お
の 回転 に よ りあ らゆ る方 向 の操 作 にお い て き わ
めて 良 好 な 可動 性 を有 し て い る.
た場 合 は 約1㎜
b)マ
も の を使 用 し
の直 径 が得 られ,目 的 に応 じ て変換 が
イ ク ロマ ニ プ レー タ ー
図5に 示 す ご と く,マ イ ク ロマ ニ プ レー ター に よ り手
（3） 附 属部品
術 用 顕 微 鏡 と レー ザ 光 誘 導 マ ニプ レー タ ー を連 結 して狭
マ ニ プ レー タ ー を介 し て導 ぴか れ た レー ザ 光 は そ の 末
視 野 に お け る顕 微 鏡 下 の微 細 手 術 が可 能 で あ る.炭 酸 ガ
端 部 に装 着 され た レ ンズ を 内蔵 した 附属 部 品 に よ り術 野
ス レー ザ 光 は 不 可視 光 線 で あ るの で,術 野 の どの 部分 に
に集 光 され る.こ れ らの 附 属部 品 は諸 種 の型 の も のが 開
作 用 す る か を確 認 す る た め に 図6の 模 式 図 に示 す ご と く
発 され でお り,目 的 に応 じて適 宜 選 択 が可 能 で あ る.
マ イ ク ロマ ニ プ レー ター 内 の 反 射 板 上 に レーザ 光 の光 軸
12-10
日耳鼻
三橋=炭 酸 ガ ス レー ザ外 科
図6マ
78-1247
イ ク ロマ ニ プ レー タの模 式 図 開 能 お よ び それ に伴 な う止 血 効 果 を認 め,1968年
には
Mullin12)等 が 猿 の肝 切 除 にお け る無 血 手 術 を 報 告 し て い る.そ れ以 来 炭 酸 ガ ス レー ザ の"Light
Knife"と
し
ての 有用 性 に関 す る実験 的 報 告1)2)4)6)11)14)15)が な され て きた. 臨 床 的 に はGoldmanが
黒 色 腫 に対 して 炭 酸 ガ ス レー
ザ に よ る治療 を最 初 に試 み て お り,1969年 に はStellar14) 等 が 姑 息 的 治療 と して 脳 腫 瘍(mahgnant
glioblastoma
multiforme)に 応 用 し てい る.1970年Goodale8)は
ス
トレス潰 瘍 に よ る胃 出血 に対 し内 視鏡 下 に レー ザ照 射 を 図7レ
ー ザ ブ ロン コス コー プ
行 い,そ の止 血 能 ・有 効性 を報 告 して い る.そ
にー致 して緑 色 の指 標 点 を合 致 させ て あ り,こ の指 標 点 は顕微 鏡 の接 眼 レン ズ を通 して 明確 に確 認 で き る.ま た レー ザ光 の移 動操 作 は 附着 の操 作 ツ マ ミに よ り レー ザ光 反射板 を動 か し全 方 向 に対 し微 細 な コン トロール が で き
Stellar16),Levinel0),Kaplan,Ger8)等
の 後,
はそ れ ぞ れ火 傷 後
お よび 褥 創性 潰 瘍 の 壊 死組 織 除 去 に応 用 し,出 血 量 な ら び に体 液 損 失 が少 な く,そ の後 の移 植 皮膚 片 の生 着 も良 好 で あ り,治 療 成 績 の 向 上 を認 めてい る.Kaplan,Geｒ8)
るよ うに な っ て い る.
等 は子 宮 頸 部 ビラ ン患 者 に応 用 し良 好 な結 果 を得 た と し
C)エ
て い る.
ン ドス コー プ
主 として管 腔 臓 器 の病 変,な
か で も子 宮 頸 部,消
化
管,気 管,気 管 支 な どの病 変 に応 用 で き る よ う設 計 され てい る.図7に
示 す もの はLaser
Bronchoscopeで,2
倍 の接 眼 レン ズ下 に観 察 し なが ら,Xお
よびY軸 方 向 に
耳 鼻 咽 喉科 領 域 で は1968年Jako7)が
犬声 帯 に対 す
る顕 微 鏡 下 レー ザ手 術 の実験 を 基 礎 と し て,1972年 Strong,Jako17)等
が初 め て臨 床 的応 用 を試 み 良 好 な成果
を得 て い る.
お け る レー ザ 光 の移 動 が 可 能 で あ り,乳 頭 腫 の声 門 下
しか し,臨 床 応 用 に関 す る有 用 性 につ い て は,ま だ現
腔,気 管 進 展 例 お よび 気 管 狭 窄 そ の他 の気 管,気 管 支 病
在 ス ター トの 糸 口 につ い た ば か りで個 々の 適応 に 関 し て
変 に対 して 応 用 で き る.
は さ ら に詳 細 な研 究 が 望 まれ 今後 発 展 が 期 待 され る分 野
Ⅲ
1966年Yahr,Strully18)等
12-11
であ る.
臨床的応用 が 炭 酸 ガス レー ザ に よ る切
IVむ
すび
78-1248
三 橋=炭
酸 ガ ス レー ザ 外 科
10.6μmの 波 長 を有 す る 炭 酸 ガ ス連 続 波 は,色 調 に関
1975
10) Levine: Use of a carbon dioxide
laser for the
係 な く生 物 組 織 に ほ ぼ完 全 に吸 収 され熱 エ ネル ギ ー に変
debridement of third degree burns., Ann. Surg., 179;
換 され る.そ の基 本 的 作 用 機 序 は 熱 効果 に よる組 織 内 液
246-252, 1974.
体 成 分 の瞬間 的蒸 発 と組 織 内 蛋 白の 凝 固 で あ る.
) Litwin, 11M.S., et al.: Burn injury after carbon dioxide laser irradiation. Arch. Surg., 98 ; 219-222,
臨床 的 に は そ の著 明 な る止 血 効 果 ゆ え に火 傷 あ るい は 褥 創 性 潰 瘍 な どの壊 死 組 織 除 去,あ
るい は肝 臓 な どの通
常 の 方 法 で は止 血 が 困難 な部 位 の 切 開,切 除 に有 利 で あ
1969. 12) Mullins, F., et al.: Liver resection with the con-
る.他 方 手 術 顕微 鏡 に接 続 す る こ と に よ り望 み の組 織 を
tinuous wave carbon dioxide laser. Ann. Surg., 34 ;
きわ め て正 確 か つ迅 速 に しか も ほ ぼ無 血 下 に除去 す る こ
717-722, 1968.
とが で き,と
くに 狭 視 野 で手 術 操 作 が 困 難 な管腔 臓 器 の
病 変 部 除 去,止 血 に 適 して お り,外 科 的 治 療手 段 とし て
13) Polanyi, T.G., et al.: A CO2 laser for surgical research. Med. & biol. Engng., 8 ; 541-548, 1970.
き わ め てユ ニー クな 特 長 を有 し てい る.
14) Stella, S. et al.: Experimental
REFERENCES 1) Fox, J.L.: The use of laster radiation
as a surg-
ical "Light Knife." J. Surg. Res., 9 ; 199-205, 1969. 2) Gonzales, R., et al.: Rapid control of massive hepatic hemorrhage by laser radiation. Surg. Gynec. and Ohstet., 121 ; 198-200, 1970.
Surg., 101 ; 211-214, 1970. R.R.,, et al.: A carbon
Med. & Biol. Engng., 8 ; 549-558, 1970. 15) Stellar, S. et al.: Carbon-dioxide
laser for exci-
sion of burn schars. The Lancet, 1 ; 945, 1971. 16) Stellar, S. et al.: Carbon dioxide laser debridement 17) Strong, M.S. and Jako,
G.J.:
dioxide
surgical
5) Hoye, R.C., et al.: The air-borne dissemination of viable tumor by high-energy neodynium
Laser surgery in
the larynx, early clinical experience with continuous CO2 laser. Ann. Otol. Rhinol.
laser. Ann. Roy. Coll. Surg. Engl., 48 ; 181-188, 1971.
Laryngol., 81 ; 791-
798, 1972. 18) Yahr, W.Z. and Strully,
K.J.: Blood vessel anas-
tomosis by laser and other biomedical
applications.
J.A.A.M. I., 1 ; 1-4, 1966.
laser. Life
Sci., 6 ; 119-125, 1967. 6) Hughes, B.F., et al.:
instrument.
of decubitus ulcers. Ann. Surg., 179 ; 230-237, 1974.
3) Goodale, R.L., et al.: Rapid endoscopic control of bleeding gastric erosions by laser radiation. Arch. 4) Hall,
studies with the
carbon dioxide laser as a neurosurgical
Acknowledgement Preliminary
report on the
use of a CO2 laser surgical unit in animals. Investigative Urology., 9 ; 353-357, 1972. 7) Jako, G.J.,: Laser surgery of the vocal cords. Laryngoscope., 82 ; 2204-2216, 1972.
investigations with a carbon dioxide laser at Boston University. 稿 を 終 る に あ た り,研 究 の機 会 を与え て下 さつ たボス
8) Kaplan, 1. and Ger, R.: The carbon dioxide laser in clinical surgery a preliminary report. Israel J. Med. Sci., 9 ; 79-83, 1973. 9) Ketcham, A.S., et al.: A surgeon's
The author is indebted to Drs. M. S. Strong and G. J. Jako who have given an opportunity to perform
トン大 学 ス トロソ グ教 授,ヤ ー コ ー教 授 お よ び平 野 実教 授 に 深 謝 の 意 を 衷 し ます. な お 本 論文 の 要 旨 は 第356お よび 第357回 日耳 鼻 九 州地
appraisal
of
方 会 に て 口演 した.
the laser. Surg. Clinic North Amer., 47 ; 1249-1263, 1967.
(原 稿 受 付
昭 和50.2.4日)
12-12
