日耳鼻
95-1735
耳
鳴
の
臨
床
的
研
究
耳 鳴 の ピ ッ チ お よ び ラ ウ ドネ ス に影 響 を 与―え る 因 子
―
富 山医科 薬科 大学 医 学部 耳鼻咽 喉 科学教 室(主 任:水 越 鉄 理教 授) 上
FACTORS
晋
INFLUENCING
SHINSUKE
Department
田
UEDA,
介,麻
生
THE
M .D., SHIN
of Otolaryngology
PITCH
ASOH,
, Toyama
Faculty
伸,渡 AND
M.D.
行
LOUDNESS
and YUKIO
Medical
of Medicine,
辺
and
雄 OF
TINNITUS
WATANABE
Pharmaceutical
, M.D.
University,
Toyama
Pitch match and loudness balance tests were given to 397 cases with tinnitus . The factors which influenced tinnitus pitch and loudness were analyzed statistically from the clinical point of view. The results obtained were as follows: 1)
Onomatopoeia
of tinnitus, either [Keeeen] or [Jeeeen] , were observed in a majority of
cases.
2) Significantly sharp sounding onomatopoeia such as [Keeeen] or [Meeeen] had high pitches , over 4kHz, and dull sounds like [Gooooh] or [Buuuun] had low pitches , below 500Hz. 3) Acute stage tinnitus, within one month of onset, had a significantly depressed pitch and walked loudness, above 6dB. 4) The pitches observed in cases with Meniere's disease and chronic otitis media were distributed evenly from low frequencies to high. In other cases, especially presbyacusis and noise deafness, high pitch tinnitus (above 4kHz) was frequently noted.
The loudness of tinnitus without
hearing loss was significantly greater than in other diseases. 5) As a rule the more deteriorated the hearing level was, the lower the frequency of the pitch, and the smaller the loudness in tinnitus. 6) A high pitch of tinnitus nearly corresponded with hearing type, that is, the pitch of tinnitus was also in accordance with the disturbed frequency in the hearing threshold.
Keywords:耳
鳴,ピ
1.は 耳 鳴 の 音 色,周
波 数,大
ッチ
マ ッ チ検 査,ラ
ウ ドネ ス
じ め に
の 基 準 の も とに 研 究 が 進 め られ る よ う に な っ た.当 科
き さ は 様 々 で あ り,疾 患 や
聴 力 との 関 係 も不 明 な 点 が 多 い.そ
バ ラ ン ス 検 査A95-1735-20582
の 一 因 と し て,耳
鳴 の 客 観 的 評 価 法 が 確 立 さ れ て お ら ず,そ
で も これ を 参 考 に 耳 鳴 の 評 価 を 行 って きた が,今 そ の 臨 床 像 を再 検 討 す る と と も に,ピ
回は
ッチ ・マ ッチ 検
の 評価 や治
査 お よ び ラ ウ ドネ ス ーバ ラ ン ス検 査 に 影 響 を 与 え る因
療効 果 の 判 定 に お い て 統 一 的 見 解 が 得 に くか っ た こ と
子 に つ い て検 討 した の で文 献 的考 察 を加 え て報 告 す
が挙 げ ら れ る.し
る.
か し,本 邦 で は 耳 鳴 研 究 会 に て 「標
準 耳 鳴 検 査 法1984」1)が 提 唱 さ れ て 以 来,各 施 設 で 同 一
上 田 ・他=耳
95-1736
2.対 昭 和59年11月
鳴 の ピ ッ チ お よ び ラ ウ ダネ ス
1992
象 お よ び方 法
よ り平 成3年4月
外 来 を受 診 し た 患 者 の 内,ピ
まで の 間 に 当 科 耳 鳴
ッチ
マ ッ チ検 査,ラ
ウ
ドネ ス ・バ ラ ン ス 検 査 を施 行 し た症 例 は397例(490耳 鳴)で
あ っ た.
症 例 の 性 別 は 男 性215例(54.2%),女 %)と
性182例(45.8
や や 男 性 に 多 く,患 側 は 右124耳(31.2%),左
175耳(44.1%)と
左 側 に 多 か った.ま
例(23.4%)あ
た,両 側 例 は93
り,頭 鳴 は5例(1.3%)で
あ っ た.
来 院 時 の平 均 年 齢 は,男 性51.0±13.5歳,女
性52.1±
14.5歳 と差 が な く,年 齢 分 布 を み る と男 女 共50歳 代 に ピー ク を認 め た(図1).ま 性46.9±14.7歳,女
た,耳
鳴 の 発 症 年 齢 は,男
姓48.2±15.2歳
病 期 間 の 平 均 は 男 女 と も約4年
図1
耳 鳴患者 の年 齢 分布
で あ り,耳 鳴 の 罹
で あ った.
表1
耳鳴 患者 の疾 患
原 疾 患 の 内 訳 は,原 因 不 明 の 感 音 難 聴 が236耳 と最 も 多 く,騒 音 性 難 聴 が55耳,老 難 聴 が33耳,メ
人 性 難 聴 が54耳,突
ニ エ ー ル 病 が30耳,以
下 表1の
発性 通 りで
あ る.こ こ で 原 因 不 明 の 感 音 難 聴 と は,「詳 細 な 問 診 お よ び 耳 科 学 的 あ る い は 全 身 的 検 索 に もか か わ ら ず.原 因 が 全 く晃 い だ せ な い感 音 難 聴 」2)の内,65歳 未 満 の 症 例 で あ り,老 人 姓 難 聴 と は ヂ加 齢 の 結 果 と し て生 ず る 進 行 性 の 聴 力 障 害 」い わ ゆ る 「 生 理 的 年 齢 変 化 」2)と考 え られ る 症 例 の 内65歳 以 上 の も の で あ る.ま た 騒 音 性 難 聴 と は,年
齢 は 問 わ ず 騒 音 下 で の 作 業 経 験 が あ り,
他 に 原 困 とな る疾 患 を見 い だ せ な い 症 例 で あ る. 検 査 に 使 用 し た オ ー ジ オ メ ー タ ー は,リ AA-61BNお は,前
よ びAA-38Nで
あ る.ピ
オ ン社 製
ッ チに つ い て
者 は125,250,500,800,1k,1.5k,2k,3k,
4k,6k,8kHzを,後
者 は100Hz∼10kHzま
で を測 定
ップ で 上 昇,ド
テ ップ
た.な お,5dBス
で き,ラ ウ ドネ ス に つ い て は,両 者 と も1dBス で 測 定 可 能 で あ る。
い て は,1dBス
検 査 の 実 際 は 原 則 と し て 「標 準 耳 鳴 検 査 法1984」1)に 従 っ た.す
な わ ち,ピ
125Hzと8kHzの を1オ
ッ チ ・マ ッ チ検 査 は,耳
鳴側 に
純 音 を交 互 に 聞 か せ,似 て い な い 方
ク タ ー ブ ず つ 似 て い る芳 に 近 づ け て い っ て ピ ッ
チ を 測 定 した.純
音 で 測 定 出 来 な い 時 は,バ
ン ドノ ィ
ズ また は ホ ワ イ トノ イ ズ を用 い た.な お,AA-38Nを 使 用 し た 症 例 で は,よ の 結 果,純
音 ま た は バ ン ド ノイ ズ で ピ ッ チ を 測 定 で き
した 症 例 は な く,8耳
ワ イ トノ イ ズ を使 用
は該 当音 が な く測 定 不 能 で あ っ
た. ラ ウ ドネ ス ・バ ラ ン ス検 査 は,ピ
テ ップ で 測 定 出 来 な か っ た178耳 に つ テ ッ プ で 測 定 し た.そ
の 結 果 ラ ウ ドネ
ス を 測 定 で きた もの は482耳 中465耳 で あ っ た .こ の 内, ラ ウ ドネ ス が-5dB以 検 査 を5dBス
下 の30耳 に つ い て は,純 音 聴 力
テ ツ プ で施 行 し て い る こ と を考 慮 し,信
頼 性 に 乏 し い デ ー タ と し て 分 析 か ら除 外 し,残 りの435 耳 に つ い て 検 討 し た. 各 症 例 の 耳 鳴 の 音 色(自 発 的 表 現),罹
り詳 細 な ピ ッ チ を測 定 し た.こ
た もの は490耳 中482耳 で あ り,ホ
降 を繰 り返 しバ ラ ン ス す る強 さ を求 め
病 期 間(耳 鳴
の 発 症 か ら耳 鳴 検 査 ま で の 期 間),疾 患,平 均 聴 力 レベ ル(6分
法),聴
力 型(低 音 障 害 型,水
高 音 漸 傾 型,高 音 急 墜 型,後3者
平 型,c5-dip型,
を 高 音 障 害 型 と称 す)
の 各 因 子 ご とに ピ ッ チ ・マ ッ チ お よび ラ ウ ドネ ス ・バ ラ ン ス 検 査 の 結 果 を比 較 し統 讃 学 的 検 討 を行 った.
ッ チ ・マ ッ チ で 得
られ た 周 波 数 音 を 耳 鳴 側 に 聞 か せ,域 値 か ら5dBス
テ
3.結
果
日耳 鼻
上 田 ・他=耳
表2
1)
鳴 の ピ ッ チ お よび ラ ウ ドネ ス
95-1737
耳鳴 の音 の種 類 と ピッチの関 係
耳 鳴 の音 色 と ピ ッチ お よ び ラ ウ ドネ ス の 関 係
耳 鳴 の 音 色 が 明 確 に 記 載 さ れ た 症 例 数 は409耳 で あ った.音
色 の種 類 は35種 類 あ り,こ の 内5耳
以上 認 め
た音 色 で ピ ッチ ・マ ッチ 検 査 を施 行 して あ る370耳 に つ い て,音 色 の種 類 と ピ ッチ の 関 係 を表2に と して は4kHzに
示 す.全
体
ピ ッ チ の あ る もの が 最 多 で あ り47.8
%(177/370耳)を 占 め た.個 々 の音 の 特 徴 と し て は 「キ ー(ン)」 ,ド ミ(ン)」,「 チ ー(ン)」 な ど清 音 性 耳 鳴 (濁点 な しの 表 現 が さ れ た 耳 鳴)の
ピ ッ チ は,4kHz以
上 の 高 周 波 数 が 多 く,「 ゴ ー 」,「ブ ー(ン)」
な ど濁 音
性 耳 鳴(濁
ピ ッチ は
0.5kHz以
点 あ りの 表 現 が さ れ た 耳 鳴)の 下 の 低 周 波 数 が 多 か っ た(ヵ
p
95-1735
耳
鳴
の
臨
床
的
研
究
耳 鳴 の ピ ッ チ お よ び ラ ウ ドネ ス に影 響 を 与―え る 因 子
―
富 山医科 薬科 大学 医 学部 耳鼻咽 喉 科学教 室(主 任:水 越 鉄 理教 授) 上
FACTORS
晋
INFLUENCING
SHINSUKE
Department
田
UEDA,
介,麻
生
THE
M .D., SHIN
of Otolaryngology
PITCH
ASOH,
, Toyama
Faculty
伸,渡 AND
M.D.
行
LOUDNESS
and YUKIO
Medical
of Medicine,
辺
and
雄 OF
TINNITUS
WATANABE
Pharmaceutical
, M.D.
University,
Toyama
Pitch match and loudness balance tests were given to 397 cases with tinnitus . The factors which influenced tinnitus pitch and loudness were analyzed statistically from the clinical point of view. The results obtained were as follows: 1)
Onomatopoeia
of tinnitus, either [Keeeen] or [Jeeeen] , were observed in a majority of
cases.
2) Significantly sharp sounding onomatopoeia such as [Keeeen] or [Meeeen] had high pitches , over 4kHz, and dull sounds like [Gooooh] or [Buuuun] had low pitches , below 500Hz. 3) Acute stage tinnitus, within one month of onset, had a significantly depressed pitch and walked loudness, above 6dB. 4) The pitches observed in cases with Meniere's disease and chronic otitis media were distributed evenly from low frequencies to high. In other cases, especially presbyacusis and noise deafness, high pitch tinnitus (above 4kHz) was frequently noted.
The loudness of tinnitus without
hearing loss was significantly greater than in other diseases. 5) As a rule the more deteriorated the hearing level was, the lower the frequency of the pitch, and the smaller the loudness in tinnitus. 6) A high pitch of tinnitus nearly corresponded with hearing type, that is, the pitch of tinnitus was also in accordance with the disturbed frequency in the hearing threshold.
Keywords:耳
鳴,ピ
1.は 耳 鳴 の 音 色,周
波 数,大
ッチ
マ ッ チ検 査,ラ
ウ ドネ ス
じ め に
の 基 準 の も とに 研 究 が 進 め られ る よ う に な っ た.当 科
き さ は 様 々 で あ り,疾 患 や
聴 力 との 関 係 も不 明 な 点 が 多 い.そ
バ ラ ン ス 検 査A95-1735-20582
の 一 因 と し て,耳
鳴 の 客 観 的 評 価 法 が 確 立 さ れ て お ら ず,そ
で も これ を 参 考 に 耳 鳴 の 評 価 を 行 って きた が,今 そ の 臨 床 像 を再 検 討 す る と と も に,ピ
回は
ッチ ・マ ッチ 検
の 評価 や治
査 お よ び ラ ウ ドネ ス ーバ ラ ン ス検 査 に 影 響 を 与 え る因
療効 果 の 判 定 に お い て 統 一 的 見 解 が 得 に くか っ た こ と
子 に つ い て検 討 した の で文 献 的考 察 を加 え て報 告 す
が挙 げ ら れ る.し
る.
か し,本 邦 で は 耳 鳴 研 究 会 に て 「標
準 耳 鳴 検 査 法1984」1)が 提 唱 さ れ て 以 来,各 施 設 で 同 一
上 田 ・他=耳
95-1736
2.対 昭 和59年11月
鳴 の ピ ッ チ お よ び ラ ウ ダネ ス
1992
象 お よ び方 法
よ り平 成3年4月
外 来 を受 診 し た 患 者 の 内,ピ
まで の 間 に 当 科 耳 鳴
ッチ
マ ッ チ検 査,ラ
ウ
ドネ ス ・バ ラ ン ス 検 査 を施 行 し た症 例 は397例(490耳 鳴)で
あ っ た.
症 例 の 性 別 は 男 性215例(54.2%),女 %)と
性182例(45.8
や や 男 性 に 多 く,患 側 は 右124耳(31.2%),左
175耳(44.1%)と
左 側 に 多 か った.ま
例(23.4%)あ
た,両 側 例 は93
り,頭 鳴 は5例(1.3%)で
あ っ た.
来 院 時 の平 均 年 齢 は,男 性51.0±13.5歳,女
性52.1±
14.5歳 と差 が な く,年 齢 分 布 を み る と男 女 共50歳 代 に ピー ク を認 め た(図1).ま 性46.9±14.7歳,女
た,耳
鳴 の 発 症 年 齢 は,男
姓48.2±15.2歳
病 期 間 の 平 均 は 男 女 と も約4年
図1
耳 鳴患者 の年 齢 分布
で あ り,耳 鳴 の 罹
で あ った.
表1
耳鳴 患者 の疾 患
原 疾 患 の 内 訳 は,原 因 不 明 の 感 音 難 聴 が236耳 と最 も 多 く,騒 音 性 難 聴 が55耳,老 難 聴 が33耳,メ
人 性 難 聴 が54耳,突
ニ エ ー ル 病 が30耳,以
下 表1の
発性 通 りで
あ る.こ こ で 原 因 不 明 の 感 音 難 聴 と は,「詳 細 な 問 診 お よ び 耳 科 学 的 あ る い は 全 身 的 検 索 に もか か わ ら ず.原 因 が 全 く晃 い だ せ な い感 音 難 聴 」2)の内,65歳 未 満 の 症 例 で あ り,老 人 姓 難 聴 と は ヂ加 齢 の 結 果 と し て生 ず る 進 行 性 の 聴 力 障 害 」い わ ゆ る 「 生 理 的 年 齢 変 化 」2)と考 え られ る 症 例 の 内65歳 以 上 の も の で あ る.ま た 騒 音 性 難 聴 と は,年
齢 は 問 わ ず 騒 音 下 で の 作 業 経 験 が あ り,
他 に 原 困 とな る疾 患 を見 い だ せ な い 症 例 で あ る. 検 査 に 使 用 し た オ ー ジ オ メ ー タ ー は,リ AA-61BNお は,前
よ びAA-38Nで
あ る.ピ
オ ン社 製
ッ チに つ い て
者 は125,250,500,800,1k,1.5k,2k,3k,
4k,6k,8kHzを,後
者 は100Hz∼10kHzま
で を測 定
ップ で 上 昇,ド
テ ップ
た.な お,5dBス
で き,ラ ウ ドネ ス に つ い て は,両 者 と も1dBス で 測 定 可 能 で あ る。
い て は,1dBス
検 査 の 実 際 は 原 則 と し て 「標 準 耳 鳴 検 査 法1984」1)に 従 っ た.す
な わ ち,ピ
125Hzと8kHzの を1オ
ッ チ ・マ ッ チ検 査 は,耳
鳴側 に
純 音 を交 互 に 聞 か せ,似 て い な い 方
ク タ ー ブ ず つ 似 て い る芳 に 近 づ け て い っ て ピ ッ
チ を 測 定 した.純
音 で 測 定 出 来 な い 時 は,バ
ン ドノ ィ
ズ また は ホ ワ イ トノ イ ズ を用 い た.な お,AA-38Nを 使 用 し た 症 例 で は,よ の 結 果,純
音 ま た は バ ン ド ノイ ズ で ピ ッ チ を 測 定 で き
した 症 例 は な く,8耳
ワ イ トノ イ ズ を使 用
は該 当音 が な く測 定 不 能 で あ っ
た. ラ ウ ドネ ス ・バ ラ ン ス検 査 は,ピ
テ ップ で 測 定 出 来 な か っ た178耳 に つ テ ッ プ で 測 定 し た.そ
の 結 果 ラ ウ ドネ
ス を 測 定 で きた もの は482耳 中465耳 で あ っ た .こ の 内, ラ ウ ドネ ス が-5dB以 検 査 を5dBス
下 の30耳 に つ い て は,純 音 聴 力
テ ツ プ で施 行 し て い る こ と を考 慮 し,信
頼 性 に 乏 し い デ ー タ と し て 分 析 か ら除 外 し,残 りの435 耳 に つ い て 検 討 し た. 各 症 例 の 耳 鳴 の 音 色(自 発 的 表 現),罹
り詳 細 な ピ ッ チ を測 定 し た.こ
た もの は490耳 中482耳 で あ り,ホ
降 を繰 り返 しバ ラ ン ス す る強 さ を求 め
病 期 間(耳 鳴
の 発 症 か ら耳 鳴 検 査 ま で の 期 間),疾 患,平 均 聴 力 レベ ル(6分
法),聴
力 型(低 音 障 害 型,水
高 音 漸 傾 型,高 音 急 墜 型,後3者
平 型,c5-dip型,
を 高 音 障 害 型 と称 す)
の 各 因 子 ご とに ピ ッ チ ・マ ッ チ お よび ラ ウ ドネ ス ・バ ラ ン ス 検 査 の 結 果 を比 較 し統 讃 学 的 検 討 を行 った.
ッ チ ・マ ッ チ で 得
られ た 周 波 数 音 を 耳 鳴 側 に 聞 か せ,域 値 か ら5dBス
テ
3.結
果
日耳 鼻
上 田 ・他=耳
表2
1)
鳴 の ピ ッ チ お よび ラ ウ ドネ ス
95-1737
耳鳴 の音 の種 類 と ピッチの関 係
耳 鳴 の音 色 と ピ ッチ お よ び ラ ウ ドネ ス の 関 係
耳 鳴 の 音 色 が 明 確 に 記 載 さ れ た 症 例 数 は409耳 で あ った.音
色 の種 類 は35種 類 あ り,こ の 内5耳
以上 認 め
た音 色 で ピ ッチ ・マ ッチ 検 査 を施 行 して あ る370耳 に つ い て,音 色 の種 類 と ピ ッチ の 関 係 を表2に と して は4kHzに
示 す.全
体
ピ ッ チ の あ る もの が 最 多 で あ り47.8
%(177/370耳)を 占 め た.個 々 の音 の 特 徴 と し て は 「キ ー(ン)」 ,ド ミ(ン)」,「 チ ー(ン)」 な ど清 音 性 耳 鳴 (濁点 な しの 表 現 が さ れ た 耳 鳴)の
ピ ッ チ は,4kHz以
上 の 高 周 波 数 が 多 く,「 ゴ ー 」,「ブ ー(ン)」
な ど濁 音
性 耳 鳴(濁
ピ ッチ は
0.5kHz以
点 あ りの 表 現 が さ れ た 耳 鳴)の 下 の 低 周 波 数 が 多 か っ た(ヵ
p
