82-358
1979
DIAGNOSTIC
VALUE
OF
AND
MASAAKI
BABA,
M.D.,
HIDEHAKU
Department
EVOKED
PERIPHERAL
MASAMICHI
SAWADA, M.D.
of Otolaryngology,
The
aim of the present deafness
at the
early
summating
stage
peripheral
that
satisfactory
facial
responses
at the
was seen
in those
that
observation
prognosis
and
of both
palsy,
prognosis
was
stimulation cases of
level
EMG
achieved
the
evoked
with
was
sudden
response
would
from
cases
the
nerve
were
prognosis
action potential,
oris.
similar
In cases It appeared
pattern
of evoked
unsatisffactory
no response.
The
significance
of
response
obtained.
orbicularis
On the contrary,
similar
the
of an evoked
whole
who showed
or even have
M.D.
Nagasaki
of estimating
and 4kHz
recorded
intensity.
University,
the pattern
deafness,
at 0.5kHz
low amplitude
NISHIDA, M.D.
M.D.)
by observing
in those
of high
who showed
SATOH,
the feasibility
palsy
microphonics
evoked
HIROAKI
ISEI
H. Kumagami,
In cases
cochlear
M.D.,
School of Medicine, Nagasaki
facial
DEAFNESS
PALSY
AND
is to investigate
of the diseases.
potential
with
study
as well as peripheral
IN SUDDEN
FACIAL
KUMAGAMI,
(Director:
sudden
RESPONSE
prognosis
authors
in
claimed
estimating
the
diseases.
A82-0358-23521
誘発反応波形か らみた突発性難聴 と末梢性顔 面神経麻痺 長崎 大 学 医学 部 耳鼻 咽 喉 科 学 教 室(主 任:隈 上 秀 伯 教 授) 馬場
は
じ
め
正 明,沢 田
正 道,西 田
に
裕 明,隈 上
聴49例,ベ
秀 伯,佐 藤
ル 麻 痺,ハ
Ia)
突 発 性 難 聴AP
nant-SP2),良
に つ い て はす で に発 表 した1)2). 今 回 は 刺激 に よ って え られ た反 応 波 形か ら両疾 患 を 比
ン ト症 候 群83例. 結
発 症 の 初期 に突 癸 性 難 聴 で は蝸 電 図 検 査 を,末 梢 性 顔 面 神 経 麻痺 で は誘 発 筋 電 図検 査 を行 な い そ の予 後 の推 定
意生
果 high
好 なCM反
症 例 は13例
た はDomi-
応 を 示 した 群
で あ るが,AP反
認 め ら れ な い が,H-Part1)の
較 検 討 した.
response1)ま
応 に お い てL-Part1)は み を 有 し,し
かし 音 刺 激
音 圧 の 増 強 に 伴 っ て 急 峻 な 出 力 電 位 の 増 大 が 認 め られ る
方 法 お よ び 検査 対 象
も の(AP
蝸 電 図 検 査 は 鼓室 誘導 を 用 い たわ れ わ れ の方 法 に よ っ た1).聴 神 経 活 動 電 位(AP),Summating
Potential (SP),
蝸 牛 マ イ ク ロホ ン電 位(CM 0.5kHz,4kHz)を
測定 し
high response)が5例,L-Partが お い てCM開
誘 発 筋 電図 検 査 は同2心 型 針 電極 を 用 い た われ わ れ の 刺 激 に お け る口 輪
筋 よ りえ られ た スパ イ ク数 を 測定 し た.対 象 は 突発 性 難
始時に
時 よ り は は るか に 短 か く,基 し,AP出
4kHzの
欠 損 し,
ほ ぼ 一 致 し てAPの
潜
線 よ り マ イナ ス側 に偏位
力 電位 とほ ぼ 同程 度 の電 位 が 記 録 され た もの
(Dominant-SP)が8例
た.
方 法 に よ っ た2).Supramaximumの
H-Partに
で あ っ た.
初 診 時 の 純 音 聴 力 域 値 の 平 均 は59dB,
の 反 応 域 値 の 平 均 は54dBHL(HL=聴 の 自 覚 域 値 の 平 均 値 を0dBHLと
CM
力 正 常 成人 数 名 し た .),0.5kHzの
4-14
純
日耳 鼻
82-359
馬 場 ・他=突 難,顔 神 麻痺 の誘 発波 形
音 聴 力 域 値 の 平 均 は76.7dB, 57dBHLで
あ っ た.13例
CMの
反 応 域 値 の平 均 は
は 各 周 波 数 平 均 値20dB以
内
に 回 復 し た.(図1)
所 見 は4kHzで れ(わ
は反応 域 値40dBHLよ
れ わ れ の 装 置 に よ る 聴力正
は50dBHL前
後 に あ る)刺
り 反 応 が記 録 さ 常 者 のCM反
好 な 反 応 が え ら れ て い る.0.5kHzに 13例 AP
high
よ り反 応 が記 録 さ れ て,良 respons
5例
Dominant(-)SP
い る.発
8列
b)
病13日
内 に 達 し た.
誘 発 ス パ イ ク数10以
ン ト症 候 群 で,患
誘 発 波 ス パ イ ク数10以 は2カ
お い て は60dBHL
好 な 入 出力 関 係 が認 め られ て
目 に は 平 均20dB以
顔 面 神経 麻 痺
ベ ル 麻 痺,ハ
月 以 内 に,殆
応域値
激強 度 の 上 昇 に とも ない 良
上群
側口 輪 筋 よ り え ら れ た
上 の 群 で あ る が,48例
ん ど の 例 が3カ
中 多 くの例
月 以 内に治 癒 して い
る.(図3)
図1
IIa) 突 発 性 難 聴
予 後 良 好 例 の蝸 電 図 所見 お よび 純 音 聴 力
nant-SPを
所 見 を 示す.
7例 で あ るが,AP 図2は1症 症 後4日
例 を 示 し た も の で あ る が,32歳 目 の 検 査 所 見 でDominant-SPを
図2 APに あ る.発 4-15
はDominant-SPが 症13日
男 性 で,発 認 め る.CM
AP
示 す が4kHz, high
high CMの
responseま
responseを
Dominant-SPを
示 し た も の4例
域 値 は4kHzで
は 平 均77.9dBHL,0.5kHZで
み られ,4kHz及
び0.5kHZのCM反
内 に 達 し た.
示 し た も の3例,
で あ っ た.CMの
予 後 良 好 例 の 蝸 電 図 所見
目 に は 平 均20dB以
た はDomi-
反 応 が よ くな い 群
応 も良 好 で
反応 は 平 均
1979
馬 場 ・他=突 難,顔 神 麻 痺 の 誘 発 波 形
82-360
7例 AP
high response
Dominant(-)SP
図4
3例 4例
高 音 域 の障 害 を の こ して 固定 し た例,蝸 電図 所 見 お よび 純 音 聴 力所 見 を示 す.
Spike数 が10以 上の例 の 予後(48例) 〇 完全治癒 △不完全治癒 × 非治癒 図3
図5
顔面 神 経 麻 痺
APに
はDominant-SPが
られ る.発
56.7dBHLで
あ っ た.純音
は55.7dB,0.5kHzで 図5は1症 症 後7日目 は4kHzで
病40日
聴 力 の4kHzの
は35.7dBで
は 域 値80dBHLで
域値の 平均
あ っ た.(図4)
例 を 示 し た も の で あ る が,48歳 の 検 査 所 見 でDominant-SPを
み ら れ る が,4kHz
CMの
反 応 域 値 上昇 が み
後 高 音 域 の 障 害 が み られ る.
女 性 で,発 認 め る.CM
域 値 の 上 昇 が み ら れ,刺
激 強 度 の 上 昇 に よ る 電 位 の の び は 少 な い.0.5kHzの
CMに
おい て は50dBHLよ
り反 応 が 記録 され,良 好 な
反 応 が え られ てい る.発 病40日 目に は 著 明 な 回復 を示 し て い るが,高 音 域 の障 害 を の こして 固 定 して い る. b) 彦面神 経 麻痺
誘 発 スパ イ ク数10以 下 群
図6中 の△〇 の 中 の数 字 は誘 発 波 のス パ イ ク数 を 現わ し た もの で あ るが,ス パ イ ク数が 少 ない 程 △ す なわ ち不 4-16
日耳 鼻
82-361
馬 場 ・他=突 難,顔 神麻 痺 の誘 発 波形 9例 AP
図7
0例
high response
Dominant(-)SP
1例
AP
8例
low response
予 後 不 良 例 の蝸 電 図所 見 お よび 純音 聴 力 所見 を 示 す,な おAPを
認めない例はい
づれ も予 後 不 良 で あ る. Spike数 が1∼9の 例 の 予 後(22例) 〇 完全治癒 △ 不完 全治癒 × 非治癒 数字はSpike数 を示す。
図6
顔面神経 麻痺
図8
AP
low
responseで
あ り,CM反
応 値 の 上 昇 を 認 め る.発
病44日
後,聴
力 の 改 善 は 少 な い. よ っ て も出 力 電 位 が 低 い も の が9例
完 全 治 癒 例 が み ら れ る. IIIa) 突 発 性 難 聴 responseを
response1)ま
た はAP
no
出 力 電 位 は 抵 く,刺
反 応 域 値 の平 均 は72.1dBHL,4kHzの dBHL,0.5kHZお
示 し た群
初 診 時 のAPの
4-17
AP 1ow
激強 度 の増 強 に
よ び4kHzの
そ れ ぞ れ82.9dB,83.8dBで
で,0.5kHzのCM 平 均 値 は80.6 純 音聴 力 域値 の 平 均 は
あ っ た.(國7)
図8は1症 症 後4日
例 を示 した もので あ るが,51歳 男 性 で,発
目の検 査所 見 でAPの
の 反 応 域 値 は0.5kHzで dBHLで
で は共 通 点が み られ る.
出力 電 位 は 小 さ い.CM
は80dBHL,4kHzで
域 値 の 上 昇が み られ るが.発
は80
本 論文 に おい て は突 発 性 難 聴 と顔 面 神 経 麻痺 と発症 の 初 期 に え られ た誘 発 反応 波 形 か ら予 後 を 比 較検 討 した.
病44日 目に は低
突 発 性 難 聴 で 予後 の良好 な もの はDominant-SPあ い はAP
音域 の 僅 か な 改 善が み られ る. APが
1979
馬 場 ・他=突 難,顔 神 麻痺 の誘 発波 形
82-362
認 め られ な か っ た もの は20例 で,い づ れ も予 後
は不 良 で あ った.
high responseを
示し,さ
らにCM反
る 応 も正
常 例 と変 らない 程 度 に良 好 な もの で あ っ た.一 方,顔 面 神 経麻 痺 で は誘 発波 スパ イ ク数 が10以 上 の 正常 例 と変 ら
b) 顔 面 神 経 麻痺
誘 発 波 を認 めな い 群
な い程 度 の も のが 予 後 良 好 で あ った.こ の ことは強 い刺
13例 につ い て み る と6カ 月 以 上 を 経 過 して も完 全 治 癒
激 を与 え る と両 疾 患 と もに 良 好 な 反 応が え られ る ことを
に はい た らな い.し か し年 齢 が 若 い 例 に治 癒 傾 向 が み ら
示 して お り,エ ネル ギ ー 伝 達 機 構 の可 逆 的 ブロ ックの状
れ た.(図9)
態 に あ る もの と思 われ る. 一 方 ,予 後 の 悪 い 突 発 性 難 聴 で はAPが 例 や,APが CM反
え られ ない
え られ て も 低 い 電位 の もので あ り,ま た
応 もよ くない.
予 後 の よ くな い顔 面 神経 麻 痺 で は誘 発 波 が 認 めれ ない 例 や,僅 か な 誘 発 波 を 認 め る例 で あ り,発 症 の初 期 に両 疾 患 と も器 質 的 障害 が あ る も の と思 わ れ る. 結
語
突 発 性 難 聴,顔 面 神 経 麻 痺 とを 発 症 の 初 期 に え られ た 誘 発反 応 波形 か ら予 後 を 比 較 検 討 し,予 後 良好 な ものは 強 い 刺 激 に対 し良 好 な 正 常 例 に近 い 反 応 波形 を示 す もの 誘 発波 が 出 現 しな い例 の 予 後(13例) 〇 完全治癒 △ 不完 全治癒 ×非 治癒
で あ り,予 後 の よ くな い もの は 誘 発 電 位 の低 い,ま たは 認 め られ ない 例 で,両 疾 患 の 予 後 に は 誘 発反 応 波 形上,
図9
顔 面神経麻痺
類 似性 が み られ た.
な お,突 発性 難 聴,顔面 神 経 麻痺 例 と もに治 療 はス テ 参
ロ イ ド,血 管拡 張 剤 を 投与 し た. 1) 西 田 裕明,土
考
考
肥 勝 徳.隈
発性 難 聴 の 病 態 耳喉
按
2)
佐 藤 意 生:末
文
献
上 秀 伯:蝸
電 図 よ りみ た 突
49:93-104,1977.
梢 性 顔 面 神 経 麻 痺 の 予 後 判定 に対 す る
突 発 性難 聴 もベ ル 麻痺 も とも に原 因 は な お推 定 の域 を で ず 必 ず し も明 確 で は な い.ハ ン ト症 候 群 は帯 状庖 疹 ウ イル ス の 感 染 に よ って 発症 す るが,本
誘 発 筋 電 図 検 査 法 の評 論
疾患 も 突発性難
聴,ベ ル麻 痺 と同 じ く,殆 ん ど の例 が1側 性 で,し か も 反復 す る こ とな く,一 旦 発 症 す る と一過 性 に経 過 す る 点
日耳 鼻
(原 稿 受 付 別 刷請 求先
〒852
79:36-43,1976.
昭 和53.10.24日)
長 崎 市 坂 本 町7-1
長 崎 大 学 医 学 部 耳鼻咽 喉 科 学 教 室
馬場
4-18
正明
1979
DIAGNOSTIC
VALUE
OF
AND
MASAAKI
BABA,
M.D.,
HIDEHAKU
Department
EVOKED
PERIPHERAL
MASAMICHI
SAWADA, M.D.
of Otolaryngology,
The
aim of the present deafness
at the
early
summating
stage
peripheral
that
satisfactory
facial
responses
at the
was seen
in those
that
observation
prognosis
and
of both
palsy,
prognosis
was
stimulation cases of
level
EMG
achieved
the
evoked
with
was
sudden
response
would
from
cases
the
nerve
were
prognosis
action potential,
oris.
similar
In cases It appeared
pattern
of evoked
unsatisffactory
no response.
The
significance
of
response
obtained.
orbicularis
On the contrary,
similar
the
of an evoked
whole
who showed
or even have
M.D.
Nagasaki
of estimating
and 4kHz
recorded
intensity.
University,
the pattern
deafness,
at 0.5kHz
low amplitude
NISHIDA, M.D.
M.D.)
by observing
in those
of high
who showed
SATOH,
the feasibility
palsy
microphonics
evoked
HIROAKI
ISEI
H. Kumagami,
In cases
cochlear
M.D.,
School of Medicine, Nagasaki
facial
DEAFNESS
PALSY
AND
is to investigate
of the diseases.
potential
with
study
as well as peripheral
IN SUDDEN
FACIAL
KUMAGAMI,
(Director:
sudden
RESPONSE
prognosis
authors
in
claimed
estimating
the
diseases.
A82-0358-23521
誘発反応波形か らみた突発性難聴 と末梢性顔 面神経麻痺 長崎 大 学 医学 部 耳鼻 咽 喉 科 学 教 室(主 任:隈 上 秀 伯 教 授) 馬場
は
じ
め
正 明,沢 田
正 道,西 田
に
裕 明,隈 上
聴49例,ベ
秀 伯,佐 藤
ル 麻 痺,ハ
Ia)
突 発 性 難 聴AP
nant-SP2),良
に つ い て はす で に発 表 した1)2). 今 回 は 刺激 に よ って え られ た反 応 波 形か ら両疾 患 を 比
ン ト症 候 群83例. 結
発 症 の 初期 に突 癸 性 難 聴 で は蝸 電 図 検 査 を,末 梢 性 顔 面 神 経 麻痺 で は誘 発 筋 電 図検 査 を行 な い そ の予 後 の推 定
意生
果 high
好 なCM反
症 例 は13例
た はDomi-
応 を 示 した 群
で あ るが,AP反
認 め ら れ な い が,H-Part1)の
較 検 討 した.
response1)ま
応 に お い てL-Part1)は み を 有 し,し
かし 音 刺 激
音 圧 の 増 強 に 伴 っ て 急 峻 な 出 力 電 位 の 増 大 が 認 め られ る
方 法 お よ び 検査 対 象
も の(AP
蝸 電 図 検 査 は 鼓室 誘導 を 用 い たわ れ わ れ の方 法 に よ っ た1).聴 神 経 活 動 電 位(AP),Summating
Potential (SP),
蝸 牛 マ イ ク ロホ ン電 位(CM 0.5kHz,4kHz)を
測定 し
high response)が5例,L-Partが お い てCM開
誘 発 筋 電図 検 査 は同2心 型 針 電極 を 用 い た われ わ れ の 刺 激 に お け る口 輪
筋 よ りえ られ た スパ イ ク数 を 測定 し た.対 象 は 突発 性 難
始時に
時 よ り は は るか に 短 か く,基 し,AP出
4kHzの
欠 損 し,
ほ ぼ 一 致 し てAPの
潜
線 よ り マ イナ ス側 に偏位
力 電位 とほ ぼ 同程 度 の電 位 が 記 録 され た もの
(Dominant-SP)が8例
た.
方 法 に よ っ た2).Supramaximumの
H-Partに
で あ っ た.
初 診 時 の 純 音 聴 力 域 値 の 平 均 は59dB,
の 反 応 域 値 の 平 均 は54dBHL(HL=聴 の 自 覚 域 値 の 平 均 値 を0dBHLと
CM
力 正 常 成人 数 名 し た .),0.5kHzの
4-14
純
日耳 鼻
82-359
馬 場 ・他=突 難,顔 神 麻痺 の誘 発波 形
音 聴 力 域 値 の 平 均 は76.7dB, 57dBHLで
あ っ た.13例
CMの
反 応 域 値 の平 均 は
は 各 周 波 数 平 均 値20dB以
内
に 回 復 し た.(図1)
所 見 は4kHzで れ(わ
は反応 域 値40dBHLよ
れ わ れ の 装 置 に よ る 聴力正
は50dBHL前
後 に あ る)刺
り 反 応 が記 録 さ 常 者 のCM反
好 な 反 応 が え ら れ て い る.0.5kHzに 13例 AP
high
よ り反 応 が記 録 さ れ て,良 respons
5例
Dominant(-)SP
い る.発
8列
b)
病13日
内 に 達 し た.
誘 発 ス パ イ ク数10以
ン ト症 候 群 で,患
誘 発 波 ス パ イ ク数10以 は2カ
お い て は60dBHL
好 な 入 出力 関 係 が認 め られ て
目 に は 平 均20dB以
顔 面 神経 麻 痺
ベ ル 麻 痺,ハ
月 以 内 に,殆
応域値
激強 度 の 上 昇 に とも ない 良
上群
側口 輪 筋 よ り え ら れ た
上 の 群 で あ る が,48例
ん ど の 例 が3カ
中 多 くの例
月 以 内に治 癒 して い
る.(図3)
図1
IIa) 突 発 性 難 聴
予 後 良 好 例 の蝸 電 図 所見 お よび 純 音 聴 力
nant-SPを
所 見 を 示す.
7例 で あ るが,AP 図2は1症 症 後4日
例 を 示 し た も の で あ る が,32歳 目 の 検 査 所 見 でDominant-SPを
図2 APに あ る.発 4-15
はDominant-SPが 症13日
男 性 で,発 認 め る.CM
AP
示 す が4kHz, high
high CMの
responseま
responseを
Dominant-SPを
示 し た も の4例
域 値 は4kHzで
は 平 均77.9dBHL,0.5kHZで
み られ,4kHz及
び0.5kHZのCM反
内 に 達 し た.
示 し た も の3例,
で あ っ た.CMの
予 後 良 好 例 の 蝸 電 図 所見
目 に は 平 均20dB以
た はDomi-
反 応 が よ くな い 群
応 も良 好 で
反応 は 平 均
1979
馬 場 ・他=突 難,顔 神 麻 痺 の 誘 発 波 形
82-360
7例 AP
high response
Dominant(-)SP
図4
3例 4例
高 音 域 の障 害 を の こ して 固定 し た例,蝸 電図 所 見 お よび 純 音 聴 力所 見 を示 す.
Spike数 が10以 上の例 の 予後(48例) 〇 完全治癒 △不完全治癒 × 非治癒 図3
図5
顔面 神 経 麻 痺
APに
はDominant-SPが
られ る.発
56.7dBHLで
あ っ た.純音
は55.7dB,0.5kHzで 図5は1症 症 後7日目 は4kHzで
病40日
聴 力 の4kHzの
は35.7dBで
は 域 値80dBHLで
域値の 平均
あ っ た.(図4)
例 を 示 し た も の で あ る が,48歳 の 検 査 所 見 でDominant-SPを
み ら れ る が,4kHz
CMの
反 応 域 値 上昇 が み
後 高 音 域 の 障 害 が み られ る.
女 性 で,発 認 め る.CM
域 値 の 上 昇 が み ら れ,刺
激 強 度 の 上 昇 に よ る 電 位 の の び は 少 な い.0.5kHzの
CMに
おい て は50dBHLよ
り反 応 が 記録 され,良 好 な
反 応 が え られ てい る.発 病40日 目に は 著 明 な 回復 を示 し て い るが,高 音 域 の障 害 を の こして 固 定 して い る. b) 彦面神 経 麻痺
誘 発 スパ イ ク数10以 下 群
図6中 の△〇 の 中 の数 字 は誘 発 波 のス パ イ ク数 を 現わ し た もの で あ るが,ス パ イ ク数が 少 ない 程 △ す なわ ち不 4-16
日耳 鼻
82-361
馬 場 ・他=突 難,顔 神麻 痺 の誘 発 波形 9例 AP
図7
0例
high response
Dominant(-)SP
1例
AP
8例
low response
予 後 不 良 例 の蝸 電 図所 見 お よび 純音 聴 力 所見 を 示 す,な おAPを
認めない例はい
づれ も予 後 不 良 で あ る. Spike数 が1∼9の 例 の 予 後(22例) 〇 完全治癒 △ 不完 全治癒 × 非治癒 数字はSpike数 を示す。
図6
顔面神経 麻痺
図8
AP
low
responseで
あ り,CM反
応 値 の 上 昇 を 認 め る.発
病44日
後,聴
力 の 改 善 は 少 な い. よ っ て も出 力 電 位 が 低 い も の が9例
完 全 治 癒 例 が み ら れ る. IIIa) 突 発 性 難 聴 responseを
response1)ま
た はAP
no
出 力 電 位 は 抵 く,刺
反 応 域 値 の平 均 は72.1dBHL,4kHzの dBHL,0.5kHZお
示 し た群
初 診 時 のAPの
4-17
AP 1ow
激強 度 の増 強 に
よ び4kHzの
そ れ ぞ れ82.9dB,83.8dBで
で,0.5kHzのCM 平 均 値 は80.6 純 音聴 力 域値 の 平 均 は
あ っ た.(國7)
図8は1症 症 後4日
例 を示 した もので あ るが,51歳 男 性 で,発
目の検 査所 見 でAPの
の 反 応 域 値 は0.5kHzで dBHLで
で は共 通 点が み られ る.
出力 電 位 は 小 さ い.CM
は80dBHL,4kHzで
域 値 の 上 昇が み られ るが.発
は80
本 論文 に おい て は突 発 性 難 聴 と顔 面 神 経 麻痺 と発症 の 初 期 に え られ た誘 発 反応 波 形 か ら予 後 を 比 較検 討 した.
病44日 目に は低
突 発 性 難 聴 で 予後 の良好 な もの はDominant-SPあ い はAP
音域 の 僅 か な 改 善が み られ る. APが
1979
馬 場 ・他=突 難,顔 神 麻痺 の誘 発波 形
82-362
認 め られ な か っ た もの は20例 で,い づ れ も予 後
は不 良 で あ った.
high responseを
示し,さ
らにCM反
る 応 も正
常 例 と変 らない 程 度 に良 好 な もの で あ っ た.一 方,顔 面 神 経麻 痺 で は誘 発波 スパ イ ク数 が10以 上 の 正常 例 と変 ら
b) 顔 面 神 経 麻痺
誘 発 波 を認 めな い 群
な い程 度 の も のが 予 後 良 好 で あ った.こ の ことは強 い刺
13例 につ い て み る と6カ 月 以 上 を 経 過 して も完 全 治 癒
激 を与 え る と両 疾 患 と もに 良 好 な 反 応が え られ る ことを
に はい た らな い.し か し年 齢 が 若 い 例 に治 癒 傾 向 が み ら
示 して お り,エ ネル ギ ー 伝 達 機 構 の可 逆 的 ブロ ックの状
れ た.(図9)
態 に あ る もの と思 われ る. 一 方 ,予 後 の 悪 い 突 発 性 難 聴 で はAPが 例 や,APが CM反
え られ ない
え られ て も 低 い 電位 の もので あ り,ま た
応 もよ くない.
予 後 の よ くな い顔 面 神経 麻 痺 で は誘 発 波 が 認 めれ ない 例 や,僅 か な 誘 発 波 を 認 め る例 で あ り,発 症 の初 期 に両 疾 患 と も器 質 的 障害 が あ る も の と思 わ れ る. 結
語
突 発 性 難 聴,顔 面 神 経 麻 痺 とを 発 症 の 初 期 に え られ た 誘 発反 応 波形 か ら予 後 を 比 較 検 討 し,予 後 良好 な ものは 強 い 刺 激 に対 し良 好 な 正 常 例 に近 い 反 応 波形 を示 す もの 誘 発波 が 出 現 しな い例 の 予 後(13例) 〇 完全治癒 △ 不完 全治癒 ×非 治癒
で あ り,予 後 の よ くな い もの は 誘 発 電 位 の低 い,ま たは 認 め られ ない 例 で,両 疾 患 の 予 後 に は 誘 発反 応 波 形上,
図9
顔 面神経麻痺
類 似性 が み られ た.
な お,突 発性 難 聴,顔面 神 経 麻痺 例 と もに治 療 はス テ 参
ロ イ ド,血 管拡 張 剤 を 投与 し た. 1) 西 田 裕明,土
考
考
肥 勝 徳.隈
発性 難 聴 の 病 態 耳喉
按
2)
佐 藤 意 生:末
文
献
上 秀 伯:蝸
電 図 よ りみ た 突
49:93-104,1977.
梢 性 顔 面 神 経 麻 痺 の 予 後 判定 に対 す る
突 発 性難 聴 もベ ル 麻痺 も とも に原 因 は な お推 定 の域 を で ず 必 ず し も明 確 で は な い.ハ ン ト症 候 群 は帯 状庖 疹 ウ イル ス の 感 染 に よ って 発症 す るが,本
誘 発 筋 電 図 検 査 法 の評 論
疾患 も 突発性難
聴,ベ ル麻 痺 と同 じ く,殆 ん ど の例 が1側 性 で,し か も 反復 す る こ とな く,一 旦 発 症 す る と一過 性 に経 過 す る 点
日耳 鼻
(原 稿 受 付 別 刷請 求先
〒852
79:36-43,1976.
昭 和53.10.24日)
長 崎 市 坂 本 町7-1
長 崎 大 学 医 学 部 耳鼻咽 喉 科 学 教 室
馬場
4-18
正明
