臨

床

呼 吸 器 症 状 が先 行 し,関 節 症 状 が軽 度 で 特 異 な経 過 を示 した悪 性 関 節 リウマ チ の1例 京都大学医学部内科第一講座 加納 村田

APECULIAR

CASE MILD

正◇ 内野 治 人 長浜赤十字病院内科 安雄

太田

OF MALIGNANT

賢

RHEUMATOID

JOINT INVOLVEMENT DISEASE PRECEDED

ARTHRITIS

IN WHICH THE THE ARTHRITIS

WITH

LUNG

Tadashi KANOH, MD and Haruto UCHINO, MD The FirstDivision, Departmentof Internal Medicine,Kyoto University Schoolof Medicine,Kyoto Yasuo MURATA, MD

and Masaru OHTA, MD

Department of Internal Medicine,Nagahama Red CrossHospital, Shiga 概要

呼 吸 器 症 状 が 先 行 し,関 節 症 状 が軽 度 で 特 異 な 経 過 を 示 した悪 性 関 節 夢ウマ チ(MRA)の

定 的 症 例 を 経 験 した,本

例 は 全身 疾 患 と し ての 関 第 リウマ チ(RA)の

考 え られ るの で報 告 した.症 例.54才,男

性.1970年

よ り息 切 れ,胸

確

考察 に 当つ て 興 味 あ る症 例 と 内苦 悶 感,咳

漱,1971年

楚期

検 診 の胸 部X線 像 よ り肺 騰 線維 症 と診 断,呼 吸 器 症 状 は 関節 症 状 出現 以 後 で は,関 節 症 状 の 増 悪 時 に悪 化す る.1972年2月 反 復.1976年

関 簾 症 状 出現,1973年3月RAと

診 断,皮 下 結 節 を認 め た.そ

王2月高 熱,関 節 痛,四 肢 筋 肉 痛,咳嗽,喀痰

の 症 状 の 再 燃 と と もに 呼 吸 園 難 さ らに 増 強,体 重減 少 も認 め 入院.本 つ 肺 線 維 症,皮 下 結 節,皮 下 出 血 に加 え て,RF強 体 値 減 少,mixed

cryoglobulin(+), LE細

の 後 も関 節症 状 を

を きた し一時 軽 快 す るが,3ヵ月

腸 性(×1260),

胞 陽性 な どに よ りMRAの

後 これ ら

例 はclassical RAに 相当 し,か

IgGRF(+),7S

IgM(+),血

確 定 的 症 例 と診 断.呼

清補

吸 症 状 の先

行,関 節 外 症 状 が 高 度 で あ りな が ら 関 節症 状 が軽 度 で あつ た 点 が 注 目され た.本 例 の 主 要 な特 徴 で あ る,① 肺 病 変,②LE細

胞,③RF活

性 の2相 性 分布 とmixed cryoglobulinに つい て, RAの 病 態 の 解 析

に 当 つ て の 意 義 を 論 じた.

で報 告 す る.

呼 吸器 症 状 が先 行 し,関 節 症 状 が軽 度 で特 異 な 経 過 を示 した 悪{生関 節 リウ マチ(malignant rheumatoid arthritis, MRA)の 確 定的 症 例 を 経 験 し

症

例

息者:

54才,男

た 。本 例 は 呼 吸 器 症 状 の先 行,肺 線維 症 な らび に

主 訴:

息 切 れ,発 熱,関 節 痛,四 肢 筋 肉 痛,

多 彩 な免 疫 異 常 の 合 併 な どの 興 味 あ る所 見 が認 め

体 重 減 少.

られ た.類 縁 疾 患 との 関係 を 含 め て,全 身疾 患 と して の慢 性 関節 リウマ チ(RA)の

家 族 歴:

病態 を 考察す

昭 矛053年5月10日

核(欝),高 血 圧 症(卅), 親(76才

で 死 亡)が 関節

痛 を 訴 え て い た が詳 細 は不 明. 既 往歴:

〔昭 郡52年10月13日

喘息(+),結

癌(廾),癲癇(+).母

るに あ たつ て,本 例 は示 唆 に富 む症 例 と考 え る の

性,教 員.

反 応 強陽 性).

受稿〕

( 49 )

急性 肺 炎(12才),肺

結 核(26才,ツ

516

呼 吸 器 症 状 が 先 行 し,関 節 症 状 が軽 度 で 特 異 な 経 過 を 示 し た悪 性 関 節 リ ウマ チ の1例

現 病 歴:

18㎏,右22㎏.

1970年 よ り体 動時 に息 切 れ,胸 内 苦

悶 感,咳 漱 を 自覚 す る よ うに な り,次 第 にそ の程

一 般 検 査 成 績(表1,図1): fibrinogen値 上 昇,血 沈亢 進,

度 は 増 強 して きた.1971年 当時,定 期 検 診 で 胸部 x線 像 の異 常 陰 影 よ り肺 線 維 症 と診 断 され た が放

好 中球 増 多, CRP陽 性 な どの急

性 期 反 応 の所 見 を 認 め た.肝,腎

機 能 検 査 はほ ぼ

置.ま た 後 述 の 関 節症 状 の 出現 時 も し くは増 悪 時

正 常 範 囲 で,腹 部 透 視,眼 科 学 的 検 査 に異 常 を 認

に これ らの 呼 吸 器 症状 は悪 化 す る こ と も気付 い て

め な か つた.ベ

い る.1972年2月

よ り両 側 の指,手,肩,膝

関節

ク トル心 電 図(VCG)で

右心肥大

の傾 向 がみ られ た.肺 機 能 検 査 で は,閉 塞 性 換 気

な ど に疼 痛 と腫脹 を きたす よ うにな り,1973年3

障 害 に 加 え て 拘束 性換 気 障 害(DLCO低

月 某 医 を 受 診 しRAと 診 断 され た.こ

下,低

酸

の と き両 肘

素 血 症)が 認 め られ た.肺 線 維 症 に慢 性 気 管 支 炎

関 節 部 に 皮下 結 節 を認 め て い る.そ の後 も軽 度 の

の合 併 像 と解 され た.胸 部X線 写 真 では,両 下 肺

関 節 症 状 を繰 返 して い た が,1976年12月,高

野 を中 心 に小 粒 状 網 状,ス

熱と

リガ ラ ス状 と形 容 され

と も に,多 発 性 の 関節 痛,四 肢 筋 肉 痛,咳 漱,喀

る肺 線 維 症 に特 徴 的 な異 常 陰 影 が 認 め られ る.関

痰を きた した.こ れ は 治療 に よ り,一 時 軽 快 した

節 部 のx線 写 真 で は,両 側 第Ⅲ 指 の指 節 間 関 節 に

が,最 近 関節 痛,筋 肉痛 の再 燃 とと もに,息 切 れ

お い て,軟 組織 の腫 脹,軟 骨 下 のび らん とそ れ に よ

の増 強,体 重 減 少(7㎏)を

認 め る よ うに な り,

る関 節 腔 の狭 少 化,限 局 性 に 骨 萎 縮 を 認 め るが,

精 査 の 目的 で,京 大 病 院 第 一 内科 に 入院 した.

そ の他 の 関 節 では これ らの 変 化 は 認 め られ な い

ほ か に 鼻 出 血,皮 下 出血 を時 々 きた す が,sicca syndrome,腹 部症 状,黄 疸,眼 症状,皮 膚潰 瘍,

か,あ つ て も きわ め て軽 度 で あ る.

神 経 症 状,Raynaud症 い.な お,30才

免 疫 学 的 検 査 成 績(表2,図2,3): β一 γ bridging,γ-globulinと 免 疫 グ ロ ブ リンの 上 昇,リ

状 な どを きた した こ とは な

ウマチ 因子(RF)強

頃 よ り手 掌 紅 斑 に気付 い て い る.

煙 草60∼30本1日(30年

陽 性,7S-IgM(+),

cryoglobulin(IgM十IgG)(十),寒

間),日 本 酒2合/日(30年

間).

性,血 清CH5。低 値,

入 院 時 現 症: 体重57㎏,身 長165cm,体 温37.8° C,顔 貌 や や 苦 悶状,皮 膚 は 全 般 に浅 黒 く,関 節

どが主 な所 見 で あ る.RF活

mixed

冷 凝 集 素 弱陽

LE細 胞 陽 性,ツ

反応 陰転な

性 は2相 性 分布,す

部 に は色 素 沈 着 を 認 め,手 背 皮 膚 は 萎 縮 性,両 足 背 に皮 下 出血,口 唇 は チ ア ノー ゼ様,手 掌 紅 斑 著 明,前 胸 部 に くも状 血 管腫1個,両 小 豆 大 の皮 下 結 節 各1個,指 示 す.脈 拍 数90/分,整,緊

肘関節伸側に

瓜 はUhrglassnagelを 張 良好.血 圧120/80,

呼 吸数26/分 。対 光反 射 は右 側 でや や 遅延,左 頚 部 (小 豆 大5個),両 腋 窩 部(大 豆 大各2個)の リン パ節 触 知 .肺 肝 境 界 第6肋 間.両 下 肺 野 で捻 髪 音 (い わ ゆ るVerco rales)聴 取,肝 は 正 中 線 上 で3.5 cm触 知,辺 縁 鈍,圧 痛 軽 度,や や硬 いが 表 面 は 平 滑.脾

・腎 触 知 せ ず,神 経 学 的 所 見 に異 常 な し.

両 側 性 に,第Ⅲ 指 の指 節 間 関節,手 関 節,膝 関 節 の 軽 度 の腫 脹 と疼痛 を み とめ るが 発 赤 な し.脊 椎 お よび全 身 の 関節 に は と くに変 形 を 認 め な い.四 肢 筋 の把 握 痛 あ り,筋 萎 縮 は認 め な い.握 力 は左

図1.入

(50)

院 時 の胸 部X線 像

日内 会 誌

第67巻

第5号

加納

表1.一

正 他3名

517

般検査成績

2ME抵

抗 性 の7S(IgG)分

画 に 存 在 した.ま

cryoglbulin自 体 に も19S(IgM)RFが

た

証 明 され

た. 病 理 組 織像(図4):

肘 関節 部 の皮 下 結節 は

典 型 的 リ ウマ チ結 節 で あ つ た.手 掌 紅 斑,く 血管 腫,肝

も状

左 葉 の腫 大,β-γbridgingの 所 見 な ど

か ら肝 硬 変 症 を疑 つ て 肝 生検 を施 行 した が,グ

リ

ソン鞘 に単 核 球 の 軽 度 の 浸潤 を認 め る程 度 で著 変 な し.右 大 腿 四 頭 筋 の 筋 生検 で は軽 度 の筋 線 維 の 萎 縮 を認 め るが,筋 炎,血 管 炎 の嫁 な し.

図2.典

入 院 後 経 過: 副 腎皮 質 ホ ル モ ン(STH),ア ス ピ リ ン,フ ェニー ル ブ タ ゾ ンの投 与 で 関節 痛,筋

型 的LE細 胞

肉痛 は軽 快 し,安 静 に よ り呼 吸 困 難 は 改善 した. な わ ち19S(IgM)と7S(IgG)の

る が,後

者 の そ れ は 失 活 し な い.後

α血 清 の 吸 収 で,そ て,抗

理で 失 われ 者の活性は抗

除 去 し た 血 清 で はRF活

昭和53年5月10日

下 出血,血

沈亢 進,RF強

陽 性,胸 部X線 像 上 の変 化 な どは持 続 した.第36 病 日に退 院 し,外 来 通 院 中で あ る.

の価 が 低 下 しな い の に 対 し

γ血 清 の 吸 収 で は 完 全 に 喪 失 す る.ま

cryoglobulinを

しか し,皮 下 結 節,皮

分 画 に 認 め た.

前 者 に み ら れ る 活 性 は0.1M-2ME処

考

た

1954年,Bevansら1)はRAの

性 は 専 ら

案 経過 中 に 全 身 の 血

管炎 に基 づ く内臓 病 変 に よ り死 亡 し た2症 例 を

(51)

518

呼 吸 器 症状 が 先行 し,関 節 症 状 が 軽 度 で特 異 な経 過 を示 した悪 性 関 節 リウマ チ の1例

図4.皮

下 結 節 の 病 理 組 織 像(HE染

色

中 心 部 に フ ィ ブ リ ノ イ ド壊 死 が あ り,こ

×100).

れ を柵 状 な

い し放 線状 に 並 ん だ 類 上 皮 細 胞 が取 り囲 む 典 型 的 リ ウ マ トイ ド結 節 の 像 で あ る.

の 診 断 基 準2)に 照 ら し て,典 に 相 当 し,か

つ 厚 生 省 特 定 疾 患(難

引 き3》よ り,主 RF活

図3.RF活 性 の2相 性 は19S(IgM)と7S(IgG)の2分

た.RF価

は 全 血 清 で ×1280,

る と ×160と す る,こ

cryoglobulinを

な り,cryoglobulinに

れ は0.1M

も の で あ る(本

2 ME処

維 症,皮

性 分 布. 画 に証 明 され

もRF活

7S(IgG)RF陽

性 が存在

理 で 失 活 す る性 質 の

文 参 照).

表2.免

要 症 状 の2項

下 結 節(組

熱,全

存 在,血

左 方 移 動,血

亢 進,LE細

胞 陽 性 な ど を 認 め,

MRAが

沈

確定的で

管 炎 の 存 在 は 肺 線 維 症,

cryoglobulinの 方,本

定 型 的 な 点 は,呼

は,全

陽 性, 清 補 体値

下 出 血 に お い て 認 め ら れ,RF価

証 し て い る.一

病 変,通

ら

清 γ-globulin上 昇,血

例 に お い て,血

値 やmixed

線

下 出 血)な

身 衰 弱,RF強

性,7S-IgMの

皮 下 結 節,皮

診 断手

目 と 組 織 診 断(肺

の 低 下,核

あ る.本

疫学的検査成績

病)の

織 学 的 確 認),皮

び に リン パ 節 腫 大,高

除去す

型 的(classica1)RA

存 在 は そ れ を さ らに傍 例 に お い てMRAと

吸 器 症 状 の 先 行,軽

常 量 のSTHが

して非 度 な 関節

有 効 な ど で あ る.こ

身 疾 患 と し て のRAの

性 の2相

こで

理 解 の た め に,本

の 主 要 な 特 徴 と 解 さ れ る,① 細 胞 陽 性,③RF活

高

例

肺 病 変,②LE 性 分 布 とmixed

cry

globulinに つ い て 考 察 す る. RAに

お け る 肺 病 変:

とす る が,関

神 経 系 な ど)や Felty症 候 群,

RAは

全 身 性 合 併 症(感

Sjogren症 候 群 ,ア

管 炎 に 伴 う症 候 群 な ど)を

MRAと

して初 め て報 告 した.以

後, RAの

うち血

膚, 染 症,貧

血,

ミ ロ イ ド症,血

認 め,こ

れ らが予 後 を

決 定 す る重 大 な 因 子 と な る1)4)∼6).こ の うちRAに

管 炎 に よる 内臓 病 変 のた め に,生 命 に対 す る予 後

み ら れ る肺 病 変 は,①

が不 良 の もの をMRAと

②

定 義 された.本

関 節 を 病 変 の主 座

節 外 症 状(心,肺,眼,骨,皮

例 はARA

(52)

胸 膜 炎(湿

リ ウ マ トイ ド塵 肺 症(Caplan症

日内会誌

性,乾

性) ,

候 群),③

第67巻

第5号

肺

加納

リ ウ マ トイ ド 結 節(単

発 性,多

発 性),④

正三他3名

肺線

維 症 ・び ま ん 性 間 質 性 肺 炎(honey-comb lungを 伴 う),⑥

肺 動 脈 炎(肺

に整 理 さ れ る7).肺 は,①

動 脈 圧亢 進 を 伴 う)な

病 変 を 合 併 す るRAの

男 性 に 多 い,②RF価

とが 多 い,③

1970年

特 徴4)7)

る7).し

例 に 肺 線 維 症 を 認 め,う 状 に 先 行 し た.同

ち1例

節,胸

結 節 の み の 例12),多

生 に はRA自

mixed

はRF活 IgG

and

RFな

れ る(Meltzer, 血 管 炎 はRFを

complex

性,免

はRFの

伴 う肺 病 変 の発

cryoglobulin

高 値,血

症 で もRF陽 l966).こ

(IgM

清C3値 低 下, た 特 発 性mixed

性,組

管炎 が 証 明 さ

の よ うにRAに

お け る

抗 体 とす る 免 疫複 合体 あ る い は

cryoglobulinに disease)と

よ る免 疫 複 合 体 病(immune 考 え られ る.事

実,病

変部に

沈 着 が 証 明 さ れ る こ と が あ る し2。),血 清

中 の 免 疫 複 合 体 あ る い は7S-IgMの

関 与 して い る可 能

より

Zvaifler 19)も血 管 炎

ど を 認 め て い る.ま

発 性神 経 炎 が 関節 症 状 に先 行

mixed

mixed

性 を 有 す る),RF価

cryoglobulin血

下

つ い

よ び 両 者 併 存(60%:6%)を

節 外 症状 が 前 景 に 出 る症 例 が 希

体 よ りむ し ろRFが

性分 布 と

RF(67%:9%),7S-IgM(80

を 伴 うRAでIgM+IgG

か に多 発 性 皮 下 結

疫 複 会 体 が 証 明 さ れ る14).RAに

は多 臓 器 病 変

の 移 行 に も注 意 を 払

性 の2相

高 率 に 認 め た.Weisman

は肺 病 変 が 関 節 症

発 性 肺 線 維 症 で は 高 率 にRF陽

か し, RA

管 炎 を 伴 う例 と伴 わ な い 偶 を 比 較 し て,前

%:18%)お

中8

に 認 め ら れ る. 一 方,特

くにMRA)で

お け るRF活

者 で は 血 清 中 のIgG

病変が先行す る

水 を 認 め な が ら 関 節 痛 を 欠 く例109鋤,皮

した 例13)な ど,関

て,血

様 の 症 例 は,Rubinら8),Maysg)

に よ つ て も報 告 さ れ て い る.ほ

胞 陽 性RA(と

RAに

先行す

and Wrlght7)はRA516例

もに認 め られ る 所 見 で あ る.し

cryoglobulin:Theomopoulosら16)はRAに

つ う関 節 症 状 と

か し希 に 本 例 の 如 く,肺

こ と が あ る.Walker

SLEと

う こ とが 大 切 で あ る18).

た そ の 後 に 出 現 す るRA

と関 係 す る も の と考 え て よ い.ふ

疫 学 的 に もLE細

体 低 値 な ど はMRAと

の 出 現 を 充 分 配 慮 し,SLEへ

過 よ り み て,

肺 病 変 の 時 期 的 関 係 は 前 者 が 平 均2∼3年

性,補

LE細

よ り始 ま る 本 例 の 呼 吸 器 症 状 は 肺 線 維 症 に

よ る も の とみ て よ く,窪

類 似 し,免

核 抗 体,RF陽

を 合 併 す る こ と は き わ め て 希 で あ る.

た 一般 に 関 節外 症 状 を伴

胞 陽 性 率 が 高 い5).経

と壊 疽 を 伴 うSLEは 胞,抗

の 典 型 的 な 関 節 変 化 や 皮 下 結 節 を 呈 す る例 がSLE

の高 値 を 示 す こ

皮 下 結 節 は じめ そ の 他 の 関 節 外 症

状 を 伴 う こ と が 多 い.ま う例 で はLE細

ど

519

存 在 と蘭 節 外

性 が あ り15),そ の た め に 関 節 外 症 状 の 前 景 に 出 る

症 状 の 発 生 に 相 関 性 が 認 め られ る こ と も知 ら れ て

本 例 の よ うな 症 例 が 存 在 し 得 る と推 定 さ れ る.

い る.

RAに RA全

お け るLE細

体 で は 約10%前

胞 陽 性: 後,

LE細

MRAで

胞陽性率 は

は20%以

ま た 同 一 施 設16)か ら の 成 績 で は,血

管炎 を 伴 う

RAの13%,伴

MRAにLE細

わ な いRAの0%で,

胞 陽{生率 が 高 い と さ れ る.本 がLE細

沈 渣 異 常,血

梅 毒 反 応 偽 陽 性,金 細 胞 陰 性RAに

肺 病 変,②LE細

胞 陽 性,

分 布 とmixed

の2相{生

管 支 炎,

し た.

色 素 量 の 低 下,血

沈亢 進,

腿 潰 瘍,血

管 炎,白

良 で あ る と い わ れ る.と

こ ろ で,症

1)Bevans か

Cryoglobulinに

病 態 の解 析 に 当つ て の意 義 を考 察

文 M,

献

et al:The

lignant rheumatoid 197,1954.

血 球 減 少,

血 清 γ-910bulin値 上 昇 の 出 現 頻 度 も高 く,予

昭和53年5月10日

な 特 徴 で あ る,① ③RFC性

膜 炎,気

比 し て 有 意 に 高 率 で あ つ た.ほ

に 関 節 外 症 状,下

例 の主 要

つ い て,RAの

療 法 無 効 な ど の 所 見 が,LE

節 症 状 が 軽 度 な悪 性 関

節 リ ウ マ チ の 確 定 的 症 例 を 経 験 した.本

よ る と,

炎,駒

語

呼 吸 器 症 状 が 先 行 し,関

邦 で はMRAの9。6%

胞 陽 性 で あ る3).Kievitsら17)に

LE細 胞 陽 性 のRAは,肺 脾 腫,尿

結

上,

systemic lesions of ma-

arthritis.Amer

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呼 吸 器症 状 が 先行 し,関 節 症 状 が軽 度 で特 異 な経 過 を示 し た悪 性 関 簾 リ ウマ チ の1例

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編.第

リ ウ マ チ

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